習志野市検討委 旧庁舎跡で報告書案 活用方法など例示

[2020/7/11 千葉版]
 習志野市は10日、旧庁舎跡地活用検討委員会(吉田恵美委員長)の最終会合を開いた。基本的理念のほか、具体的な活用方法などが例示された検討報告書案を協議し、おおむね了承された。検討委で出された意見を踏まえ、近く市長に報告する予定だ。

旧庁舎跡地では市原組で解体工事が進められている

旧庁舎跡地では市原組で解体工事が進められている

 旧庁舎跡地の所在地は鷺沼1-1-1。敷地面積は1万0552平方mで、用途地域は第二種住居地域。建ぺい率60%、容積率200%となっている。1964年竣工の旧庁舎は、2011年3月に発生した東日本大震災により甚大な被害を受けたことで、庁舎として使用が不可能となった。現在、解体工事が進められており、22年度にも全ての工事が完了する予定だ。

 報告書案をみると、旧庁舎跡地活用の基本的理念は「~人が集まり、留まり、つながる~みんながいきいき活躍できる空間であり、多世代で賑わう習志野市の魅力を発信する場所」とする。

 基本的理念を具現化するため、▽習志野市民だけでなく、市外からも多くの人が訪れる魅力ある場所▽多世代が交流する、賑わい溢れる場所▽産業の活性化につながる仕掛けがある場所▽音楽や美術をはじめとする芸術・文化を育む場所──を提案している。

 機能ごとの具体的な活用方法の例示をみると、「娯楽」はイベントスペースや広場、アリーナ、「商業」はカフェや飲食店、「芸術・文化」は市民の文化活動の成果発表や練習ができる場所、アートに触れることができる場所など。

 「こども・子育て」は子どもが1日中遊べる場所や子育て支援施設など、「ビジネス支援」はシェアオフィスやコワーキングスペースなど、「防災機能」は防災機能がある公園やヘリが降りられる場所などを例示している。

 報告書案では、活用方法について、多様な世代の人々をターゲットとし、世代間での交流が生み出されるような仕掛けづくりを求めている。

 防災機能について、建て替えが予定されている鷺沼小学校に限らず、市内の避難所は老朽化が進んでいるところが多いため、広域的な避難者支援に向けた備えも望まれるとしている。

 民間活力の導入・財源化について、財源化手法としては、「売却」に限定するのでなく、「収益性のある資産活用」を実現することを要請。厳しい財政状況において、集客性のある空間を生み出すためには、民間活用の導入が必要不可欠としている。

 市旧庁舎跡地活用検討委員会は知識経験者や地域住民などで構成。旧庁舎跡地の将来にわたる持続可能なまちづくりに資する財源化を前提とした有効活用に向けて、基本的理念や活用方法などを調査・検討してきた。

検討報告書案について意見を出し合った

検討報告書案について意見を出し合った

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