BPと現道拡幅を併用 石巻河南道路のルート帯 東北整備局が方針決定

[2020/7/2 宮城版]
 東北地方整備局は、計画段階評価を進めている国道108号石巻河南道路のルート帯について、これまでに検討していた3つのルート案のうち、現道拡幅・バイパス(BP)併用案を採用することに決めた。今後は学校などを避けた最適な詳細ルートを固め、年度内に都市計画決定の手続きに着手し、早期の事業化を目指す。
 現道拡幅・BP併用案に関しては、1日に開いた社会資本整備審議会道路分科会の第30回東北地方小委員会(委員長・浜岡秀勝秋田大学教授)に示し、了承を得た。
 採用したルートは、蛇田地区の菰継(こもつぎ)交差点を起点とし、そこから須江地区の方へ向かって畳石交差点までの延長約2kmを現道拡幅して4車線化するとともに、畳石交差点から広渕地区の北村交差点付近までに至る延長約6kmを2車線のBP道路で整備する。
 全体延長は約8kmで、BP区間は盛土構造となる。設計速度は時速60km。整備コストは約170億~220億円。
 このルートの特徴は、畳石交差点で県道河南石巻港インター線と結び付けることで、石巻港へのアクセスに配慮する。広渕地区は道路交通の機能分担を図り、蛇田地区は交通容量の拡大によって主要幹線道路としての機能を確保する。
 ルート案の絞り込みに当たっては、地域住民や道路利用者などに対し、2月から3月にかけてアンケート調査(第2回意見聴取)を実施。調査では、走行性と安全性の確保や、内陸市街地との結び付きが最も重視されていることが分かった。
 この結果を踏まえ、「安全・安心」、「観光」、「産業」の観点から課題を再整理。全線をBP化する案などと比較検討し、対応方針として現道拡幅・BP併用案が最も優れている判断した。コスト面で比較しても、軟弱地盤地帯や蛇田地区の住宅地を通る全線BP案に比べ、割安になっている。
 同委員会では、浜岡委員長が石巻河南道路の計画区間とは反対側(東側)の、菰継交差点から丸井戸交差点方面に至る区間も対策を取った方がよいのではないかと質問した。
 これに対し東北整備局は、石巻河南道路として4車線化道路を整備することで、車両が円滑に流れるようになり、速度低下の改善が期待されると説明。菰継交差点~丸井戸交差点間の国道108号で歩道がない区間については、別の形で生活道路用に防護柵の設置や路面改善などに取り組む意向を示した。
 なお、石巻河南道路の都決に向けては、八千代エンジニヤリング(東北支店・仙台市青葉区)が道路の予備修正設計を請け負っている。

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