大塩小学校で改築計画 学校施設の長寿命化(東松島市)
[2020/6/24 宮城版]
東松島市は、学校施設の長寿命化計画をまとめた。計画期間は2019~35年度の17年間。20~29年度の10年間に取り組む改築・改修等の実施計画として、赤井南小学校校舎と大塩小学校校舎の改築事業や、赤井小学校体育館と大曲小学校校舎の長寿命化改修事業、3校のプール改築事業、赤井南小学校校舎の大規模改修事業を盛り込んでいる(%2別表参照%1)。実施計画は確定していないため、今後に変更する可能性もある。
学校施設の長寿命化計画は、1~7章で構成。1章は計画の背景・目的など、2章は学校施設の目指すべき姿、3章が学校施設の実態、4章が学校施設整備の基本的な方針等、5章が基本的な方針等を踏まえた施設整備の水準等、6章が長寿命化の実施計画、7章が長寿命化計画の継続的運用方針となっている。
計画の背景としては、2017年に市公共施設等総合管理計画(17~45年度)を策定し、道路や橋梁などのインフラを含む公共施設について、長期的・総合的な管理に関する方針や目標を設定。この中で、学校施設全体の管理の基本的な方針を定めているものの、個々の施設で老朽化の状況が異なるため、施設ごとの状況を踏まえた長寿命化計画を定めることにした。
計画の対象施設は、小学校8校、中学校3校、幼稚園1園、給食センター1カ所。これに加え、21年には新鳴瀬桜華小学校が開校される。
学校施設の保有量(床面積ベース)を建築年度別に見ると、築20年以上の建物が59%、築30年以上が53%に達する。1981年以前の旧耐震基準に基づく建物は38%となっている。
学校施設を築後40年で改築し、築後20年で大規模改造すると想定し、これまでの修繕・改修を続けた場合、今後40年間のコストは総額315億円(年間7億9000万円)かかると試算。維持・管理コストの低減や平準化を図る必要がある。このため、適切な改修を定期的に実施することで目標使用年数を80年に設定し、築25年を目安に大規模改修、築50年を目安に長寿命化改修を行うことを基本方針とした。
この基本方針を踏まえた実施計画では、今後10年間の改築事業、長寿命化改修事業、大規模改修事業を設定。長寿命化改修は防水更新(断熱化)や設備更新、外壁と内部の改修、コンクリート中性化対策、最新の学習形態への対応などを進める。大規模改修は屋上防水や外壁、設備の改修と、劣化の著しい部位や故障・不具合の修繕を行う。
当面はすでに新増築と改修が決定している赤井南小学校や、矢本東小学校のプール改築を実施する。その後は、健全度なども勘案しながら事業を進める。併せて、維持管理は従来の事後保全型から、劣化が軽微なうちに修繕する予防保全型へと転換する。
今後の維持・更新コストに関しては、実施計画を踏まえた長寿命化を図った場合、今後40年間の総額は241億円(年間6億円)になる見通し。今後の改修に当たっては、規模の大きな校舎などは2年を超える実施期間を設定することや、低コストの工法と耐用年数の長い建材を採用することを検討する。
なお、個別施設の改修計画に基づく概算事業費は次の通り。
▼赤井南小学校南校舎(新増築)=2カ年で8億5300万円▼赤井南小学校北校舎(改築)=2カ年で1億7100万円▼赤井南小学校東校舎(大規模改修)=2カ年で3億0700万円▼赤井南小学校西校舎(大規模改修)=2カ年で2億0700万円▼矢本東小学校プール(改築)=1億2100万円▼矢本第一中学校プール(改築)=2カ年で2億0200万円▼矢本西小学校プール(改築)=2カ年で2億0200万円▼赤井小学校体育館(長寿命化)=2カ年で1億7500万円▼大曲小学校西校舎(長寿命化)=2カ年で3億2700万円▼大曲小学校北校舎(長寿命化)=2カ年で7億2800万円▼大塩小学校校舎(改築)=2カ年で8億5900万円