建て替え案を採用へ 本庁舎の再整備事業 君津市が検討委

[2020/6/17 千葉版]
 君津市本庁舎再整備のあり方検討委員会(委員長・柳澤要千葉大学大学院教授)の第4回会合が16日、市役所で開かれた。庁舎再整備案を比較検証し、規模などで課題があるものの、建て替え案を採用する方向性がとりまとまった。本庁舎再整備のあり方検討支援業務はパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区)が担当。

再整備を検討している君津市本庁舎

再整備を検討している君津市本庁舎

 同委員会ではこれまで、庁舎規模について、総務省基準や他市事例を参照して検討した。再整備後の庁舎に入る職員数を現状同等と想定した場合、再整備により確保する庁舎規模の参考値として1万6700平方m~2万平方mと設定している。

 庁舎再整備案として、▽A案(耐震補強+大規模改修案)▽B案(減築+大規模改修+不足分新築案)▽C案(大規模改修+防災拠点増築案)▽D案(建て替え案)──の4案を提示し、議論を進めてきた。

 今回の委員会では、これまでの検討の深度化を図っている。大規模改修は、D案以外の全ての案で実施するため、工事項目ごとに設定した緊急度や重要度により、工事費用のイニシャルコストを再検討している。

 また、防災拠点施設の必要面積は、2019年度9月に発生した台風時において「台風災害対応諸室」として使用した部屋などをもとに算出。その結果、必要面積を1800平方mと設定している。

 これらを踏まえ、庁舎再整備案を比較検証。イニシャルコストは、大規模改修や耐震補強、新築に関する工事費用、各施設の設計費、仮設建築物(仮庁舎)の整備費、什器、備品購入費を想定して算出した。

 その結果、イニシャルコストとして、A案は64億6000万円~118億円、B案は70億1000万円~112億5000万円、C案は60億1000万円~113億5000万円、D案は128億5000万円をそれぞれ概算している。

 工事期間は、仮庁舎整備期間やC案の増築部分の工事期間を見直した。その結果、A案は約28カ月、B案は約42カ月、C案は約34カ月、D案は約31カ月をそれぞれ想定している。

 各委員からは、規模や財政面などで課題があるものの、建て替える方向性が望ましいとする意見が大半を占めた。

 本庁舎(久保2-13-1)は1976年7月に完成。完成から43年経過しており、老朽化が進行している。一般的な官庁施設としては大きな問題はないが、防災拠点施設としての役割を果たす庁舎性能は満たしていない状況だ。

 敷地面積は2万8599平方m、建築面積は4026平方m。施設の構造・規模は、SRC造地下1階地上11階建て延べ2万0004平方m。元設計は安井建築設計事務所、元施工は清水建設が担当した。

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