計画・設計プロポ公告 380~430床新病院を建設へ(千葉市)

[2020/6/16 千葉版]
20200616c01 千葉市は15日、新病院の建設に向けた基本計画策定支援・基本設計業務について、簡易公募型プロポーザルの手続きを公示した。幕張新都心若葉住宅地区の小学校・公益施設用地を活用し、380~430床規模の新病院を新築する構想だ。委託料は2億円(税込)を上限とする。29日まで参加表明書を受け付けている。

 同市は、海浜病院の老朽化への対応を踏まえ、将来的な医療需要、医療提供体制や市立病院が抱える課題を踏まえた、今後の病院事業のあり方について検討を進め、「千葉市立病院再整備基本構想」案をとりまとめた。

 基本構想案については、15日にパブリックコメントを手続きを開始し、7月15日まで意見を募集している。その結果を反映し、8月に基本構想を策定する予定だ。

 同業務では、基本構想に基づき「千葉市立新病院整備基本計画」を策定するため、専門的な技術・豊富な経験を生かした支援するとともに、基本計画に基づいて、新病院の基本設計を検討していく。

 具体的な業務内容は▽基本計画の策定支援▽市立病院の現状調査・分析・検討▽実施設計以降の発注方式に関する検討支援▽市立病院職員に対する意向調査の実施▽基本計画策定や基本設計に当たっての合意形成支援▽関係機関への協議・申請が必要な場合の添付書類、その他会議や説明会の資料作成支援──など。履行期限は2021年9月30日まで。

 プロポの参加資要件は、20・21年度市測量・コンサルタント入札参加資格者名簿に「建築:建築一般」として登載されていることのほか、業務実績などを求めている。29日まで参加表明書、8月24日まで技術提案書をそれぞれ受け付ける。同31日のプレゼンテーションを経て、優先交渉権者を選定する予定だ。

 同市では病院事業として、青葉病院と海浜病院を運営している。基本構想案は、海浜病院が老朽化する中、将来にわたって安定的に医療提供体制を確保していくための方策について早急に検討を進めることが必要であり、将来的な医療需要や両市立病院が抱える課題を踏まえ、今後の市立病院の方向性をとりまとめた。

 現施設の課題を解決するとともに、現海浜病院の機能を基盤とした少子超高齢社会に求められる新病院を整備する方向性が示されている。

 施設整備の基本的な考え方は▽災害に強い病院▽将来の変化に対応できる病院▽誰もが快適な病院▽職員にとっても働きやすい病院▽効率性・経済性の高い病院──の5項目を挙げている。

 新病院の整備概要をみると、施設名称は、千葉市立新病院(仮称)。建設予定地は美浜区若葉3丁目1番26に位置する幕張新都心若葉住宅地区の小学校・公益施設用地5.3ha。このうち、住宅地区からの動線を考慮した位置を小学校用地、これを除いた公益施設用地を建設予定地と想定している。

 新病院に必要な病床数は380~430床を見込んでいるが、人口減少なども見据え、病床数の最適化を図る。具体的な病床数については基本計画以降で詳細に検討を進めていく。

 診療科目は、現海浜病院の診療科目を原則維持する方針。現在の診療科目は内科、脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、感染症内科、糖尿病・代謝内科、内分泌内科、小児科、小児科(新生児)、小児外科、外科、消化器外科、乳腺外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線治療科、放射線診断科、麻酔科、病理診断科、救急科の29科となっている。

 整備手法は、直接施工方式(従来方式)、DB方式、ECI方式を中心に検討を進めていく。具体的には基本計画以降で決定する考えだ。

 現海浜病院の施設は、建設後36年が経過し老朽化が著しく、早期に新病院を整備することが必要となっている。そのため、病院の機能を定める基本計画や設計、工事の各段階において、作業の効率化や作業内容の精査を実施することで、最大限の期間短縮に努める。

 概算事業費は、近年の公立病院の整備事例から建築単価を算出し、400床で試算した。その結果、概算事業費は257億円程度、病院本体工事費は193億円程度を見込んでいる。

 今後の事業スケジュールをみると、基本計画や基本設計の成果を踏まえ、21年度に実施設計に着手する。22年度の着工、遅くとも25年度上半期までの開院を目指している。

整備スケジュール

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