防集跡地に企業誘致へ 松崎片浜と小泉の2地区(気仙沼市)

[2020/6/18 宮城版]
 気仙沼市は、小泉地区と松崎片浜地区で防災集団移転の跡地を産業用地に活用し、企業誘致を進める意向だ。本年度予算には、企業立地適地調査業務や、移転元地等活用調査支援業務の委託費を計上しており、今後にこれらの業務を委託する。
 小泉地区は、防災集団移転促進事業で市が買い上げた土地について、産業用地としての活用を見据え、ホームページで事業者向けに用地情報を提供している。対象地はA~Cにグループ分けしている。Aは4宅地、Bが1宅地、Cが2宅地。
 A-1は32筆で合計面積が1万2220平方m、A-2は40筆で計1万0307平方m、A-3は2筆で計1084平方m、A-4は5筆で計2877平方m。B-1は20筆で計9943平方m。C-1は5筆で計3151平方m、C-2は6筆で計2725平方m。
 
 いずれも登記地目は宅地で、災害危険区域に指定されている。三陸沿岸道路の小泉海岸インターチェンジからは約2kmに位置している。ライフラインは、上水道が要相談、宅地排水が宅地内に排水枡を設けて道路側溝へ排水、汚水排水が浄化槽対応、ガスがプロパンガス、電力が特別高圧6万Vとなっている。
 市が産業用地として提供を考えている小泉地区の用地面積は約3.8ha。一部には民有地があるため、所有者にアンケートで意向調査している。
 松崎片浜地区は、土地区画整理事業で産業用地を造成しており、こちらへの進出事業者が決まれば、区画整理地外でも移転元地を活用して企業誘致を進めたい考え。区画整理地外の対象面積は約3ha。
 区画整理地内は、北街区と南街区の商業地を一体的に利用してもらうため、昨年度に立地事業者を募集し、1者から申し込みがあった。まだ契約には至っていない。
 市内の移転元地の活用に当たっては、2018年度に復興庁の「土地活用促進等モデル調査」事業を活用し、検討を進めた経緯がある。今後は、この調査結果に基づいた具体的な土地活用策として、企業などとのマッチングの取り組みを進める。立地のニーズがあれば、オーダーに応える意向だ。
 本年度予算には、企業立地適地調査業務の委託費に500万円、移転元地等活用調査支援業務と経済波及効果推計業務の委託費に計1260万円を計上した。防集跡地は唐桑大沢地区などにも未利用地があるものの、当面は企業誘致の実現性が高い小泉と片浜の2地区で利活用を図る。

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