直接放流管約760mを計画 内水氾濫対策/施工は22年度から(丸森町)
丸森町は東日本台風で被害が甚大だった役場周辺の内水氾濫対策に取り組む。雨水計画を見直し、対策の一つとして阿武隈川への雨水排水直接放流管の敷設を計画。放流管は丸森1号雨水幹線のバイパスとして延長760m程度を見込む。年度内に基本設計をまとめ、工事は2022~23年度で行う見通し。委託費として1100万円を確保している。山間部のためトンネル工事となりそうだ。
昨年10月の東日本台風では、短時間に大量の雨が降ったことにより、ポンプ施設の排水が追い付かず、役場周辺の鳥屋地区などで内水氾濫が発生。甚大な被害が出ている。
このことから町では雨水計画の見直しに着手する。排水面積は寺沢排水区96.5ha。阿武隈川への直接放流管の敷設や、丸森雨水ポンプ場の修繕、新ポンプ場の建設により排水機能の強化を図る方針を示している(%2図参照%1)。
このうち直接放流管は、丸森1号雨水幹線(寺沢川)の上流に阿武隈川へのバイパス管を設けることで、同幹線に流入する雨水を分散させる。ルートは山間部から船場・下滝エリアの阿武隈川へつなぐ延長約760m程度をイメージしている。
本年度は基本設計に着手する計画とし、6月補正予算で委託費1100万円を確保済み。準備が整い次第委託し設置場所やルート、管径・管種、工法などを検討する。年度内の策定を目指す。順調にいけば21年度に実施設計、22~23年度に敷設工事を進める見通し。山間部となることからメインはトンネル工事を見込む。
このほか内水氾濫対策として、雨水ポンプ場の機能強化を図る。まずは被災した丸森雨水ポンプ場を21年度までに修繕する。3台あるポンプのうち口径700mmを復旧し仮設ポンプと合わせ、従前の毎秒2.94tの処理能力を確保する。復旧工事は昱(あきら)機電が受注している。
その後、既存施設の西側に新ポンプ場を建設する。新施設は既存の倍程度の能力を持たせ、大雨時には2施設で排水する計画。必要な樋門(樋管)、幹線からの流入管渠(延長約50m)なども含め、新設の設計業務を三水コンサルタントが担当。設計がまとまり次第、施工に取り掛かる。同社は雨水計画の見直し業務も担当している。