庁舎で長寿命化計画 第1など5棟を劣化診断(八街市)

[2020/6/10 千葉版]

耐震補強工事を終えた第1庁舎

耐震補強工事を終えた第1庁舎

 八街市は、市役所庁舎長寿命化計画策定業務の委託事業者を選定する一般競争入札を公告した。第1庁舎など5棟の劣化度を診断、ライフサイクルコストや保全優先度などを考慮しながら長寿命化計画を策定してもらう。予定価格は850万3000円(税込み)。履行期限は2021年3月25日まで。

 対象施設は、1981年に竣工した第1庁舎や、新耐震基準で建てられた第3庁舎・第4庁舎・第5庁舎のほか、総合保健福祉センターの計5棟。また、貯水槽やトイレなど給排水設備、電気設備、空調設備、消防設備、放送設備、内装材、昇降機、駐車場など設備についても劣化度を診断する。敷地面積は2万4032平方m。

 市では、2000年度に、旧耐震基準で建てられた第1庁舎と第2庁舎(RC造一部S造3階建て1653平方m)の耐震診断を実施。その結果、一部で耐震基準を満たしていないとの判定が出たことから、18年度に耐用年数を経過していない第1庁舎の耐震補強工事に着手。19年度に耐用年数を超過した第2庁舎を解体、跡地に来庁者用駐車場を整備した。

 主な業務内容は▽計画準備▽建物および設備の劣化診断▽長寿命化計画の策定▽維持・保全計画策定──。計画期間は21年度~60年度の40年間とする。

 建物および設備の劣化診断では、躯体や外装など建築、電気設備、空調設備、給排水衛生設備の劣化度を診断。コンクリートについては、耐震診断時の資料を参考として診断する。また、使用者からヒアリングを行い、不具合状況のリストを作成する。

 長寿命化計画の策定では、各種調査結果に基づき、整備水準・方針を決定し、改修・改築周期などライフサイクルコスト、保全優先度、予算の平準化、優先順位を設定し、庁舎の長寿命化計画を策定する。

 維持・保全計画の策定では、長寿命化計画(40年間)とは別に、22年度から向こう10年間の維持・保全計画を策定する。計画書は、年度ごとの修繕および改善内容と概算金額および10年間の概略工程で構成する。

 計画の策定にあてっては、職員や来庁者の将来推移、庁舎の課題・構想など多角的な視点から実態把握・調査を行い、反映させる。

 入札参加者に必要な資格は、八街市入札参加資格者名簿の登録部門「委託」、営業種目「調査・計画」に登載され、過去15年以内に国または地方公共団体が発注した長寿命化計画策定業務を元請として完了した実績があることなど。

 入札書を17日~22日に受け付け、23日に開札する予定だ。

 市では、長寿命化計画のほか、新庁舎の整備など、第2庁舎跡地の有効利用に向け、執務環境調査業務の委託事業者を公募型プロポーザルで選定する方向で調整を進めている。庁舎の機能不足や最適な執務機能スペースの創出、市民サービスの向上など、現在の市庁舎全体の課題や基本事項、改善点などを整理。有識者や市民の意見を踏まえながら、第2庁舎再建の要否を含め、今後の活用方針を検討する方針だ。2020年度予算では、執務環境調査業務委託料として990万円を計上しているが、担当課によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、状況によっては公告の延期・見送りの可能性もあるとしている。

 対象施設の詳細は次の通り。施設名=[1]構造・規模[2]竣工年──の順。

▽第1庁舎=[1]RC造一部S造3階建て延べ2499平方m[2]1981年
▽第3庁舎=[1]S造2階建て延べ1027平方m[2]1989年
▽第4庁舎=[1]S造2階建て延べ295平方m[2]1998年
▽第5庁舎=[1]S造2階建て延べ102平方m[2]2005年
▽総合保健福祉センター=[1]S造4階建て延べ4808平方m[2]1996年

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