矢本駅前通路に調査費 6月補正予算案で債務負担(東松島市)

[2020/6/6 宮城版]
 東松島市は5日、6月補正予算案を発表した。一般会計は7億7706万円を追加し、総額を327億0325万円とする。建設関連では、矢本駅南北自由通路他の基本調査業務委託費に2020~21年度で限度額2500万円の債務負担を設定した。JR矢本駅の南北方向を結ぶ自由通路を新設するため、11日開会の市議会6月定例会で予算案が可決され次第、調査業務を委託して駅舎との接続方法を検討するとともに、概算工事費などを算出する。
 市は同駅の南北間のアクセスを向上させるため、南北自由通路の整備を構想。これまでに同駅北側の民有地を取得し、市営駐車場に利用しており、このスペースを活用して自由通路を設けるとともに、交通広場などを整備する考え。
 基本的には駅舎をまたぐ形での通路を想定しているが、場合によっては地下に通路を設ける可能性もある。本年度から基本調査業務を委託し、老朽化した駅舎の扱いも含めたJR東日本との協議や、地盤調査などを進める。併せて、駅南側にあるタクシープールやロータリーのあり方なども再検討する。
 基本調査業務は2カ年かけて進め、その後に補助金を使って設計や工事などが行えるよう、基本的な方向性や概略図、概算工事費などをとりまとめる意向だ。
 矢本駅周辺の環境整備に向けては昨年度、「矢本駅周辺交通環境等整備構想策定業務」を国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。年度をまたいで現在も整備構想の策定作業を進めている。
 この業務では南北自由通路だけでなく、同駅を中心とした8.8haの範囲を対象に、土地の権利調査、市街地の条件整理、交通利用調査などを行っている。目的は同駅周辺の渋滞解消や、安全性と利便性の向上、防災力の強化などを実現すること。
 今後は、この業務成果を踏まえて市街地環境を評価し、駅前広場や周辺道路網などの整備構想案をまとめる。同駅の近くには国道45号沿いに市営北浦住宅が建っており、老朽化しているため、仮に撤去した場合にどのような跡地利用が可能かも検討項目に含まれている。
 6月補正予算案には、矢本駅南北自由通路他基本調査業務と、矢本駅周辺地区都市再整備計画策定業務の委託費にそれぞれ1000万円ずつを計上した。自由通路の委託費は計2500万円のため、うち1000万円を予算化したことになる。
 

小野市民センター大規模改修で設計

 同市の一般会計6月補正予算案にはこのほか、小野市民センターの大規模改修工事実施設計業務委託費に20~21年度で限度額1200万円、赤井小学校講堂の長寿命化改修工事実施設計業務委託費に20~21年度で限度額943万円の債務負担をそれぞれ設定。企業誘致推進事業では、大曲浜産業用地の購入費に4億2692万円を盛り込んだ。
 小野市民センターは、敷地面積が9213平方mで、建物がRC造2階建て延べ1638平方mの規模。1982年に建てられた。老朽化で電気・機械系統に不具合が起きているため、本年度から2カ年かけて実施設計をまとめ、22年度に大規模改修工事を実施する予定。実施設計の委託費は計1200万円で、うち480万円を6月補正予算案に計上した。
 赤井小学校の講堂は、RC造平屋572平方mの規模。1977年に建てられた。大規模リフォームを予定しており、給排水管や電気設備の入れ替え、躯体の劣化に対する補修などを必須で行うほか、屋上防水改修などを実施する考え。実施設計の委託費は計943万円で、うち337万円を6月補正予算案に計上した。
 ただし、楠山設計に別途、建物の調査を委託しており、この結果次第では建て替えになる可能性もある。調査業務の履行期間は7月末まで。

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