県市町村課 水道広域化へ推進プラン 今年度は課題や将来分析

[2020/6/6 栃木版]
 県は、水道広域化推進プランの策定に着手した。3年間で策定するもので、今年度は水道事業者ごとの経営環境と経営状況にかかる現状と将来見通し。2021年度が広域化のパターンごとの将来見通しのシミュレーションと広域化の効果とし、最終の22年度には今後の広域化にかかる推進方針に言及する。県市町村課によると、国は推進プランに基づき実施する広域化のための施設整備やシステムの構築に要する経費について地方財政措置を講ずるとしており、高度経済成長期に一気に整備された水道施設は近い将来、大幅な更新が必要とされており、プラン策定により広域化による事業手法が県内で進みそうだ。

 推進プランは、市町村の区域を越えた水道事業の多様な広域化を推進するため、広域化の推進方針や方針に基づく当面の具体的取組の内容を定めるもの。都道府県が策定し、市町村財政担当課が取りまとめを行い、水道行政担当課や企業局などが参加するなど、関係部局が連携し一元的な体制を構築するとした。

 本県では17年2月に市町村等水道事業広域連携等検討会を組織。毎年3回程度の会議や意見交換などを通じて、推進プランを策定するとしている。同プランは公表を前提に、策定後も取組の進ちょく状況に合わせ適宜改定。策定状況について毎年度調査し、公表するとした。

 策定に当たり国はマニュアルを発出。都道府県を越えた広域化の取組に対し、推進プランに記載することとしている。同プランは、水道基盤強化計画を見据え、同計画に先立って策定するものとしており、最終的には同計画への引継ぎを想定している。

 県は15年3月、県内水道の問題や課題を把握し、中長期的な視点から水道事業者等の目指すべき方向性と実現方策などを示し、将来の指針となる県水道ビジョンをまとめている。背景には、人口減に伴う水需要(水道料金収入)の減少、水道施設の老朽化に伴い、更新需要の増大化が挙げられる。今回策定するプランには、県水道ビジョンや区域内の水道事業者が策定した経営戦略の記載内容を活用することが可能とした。

 プラン策定後は、水道の基盤強化を図る観点から、県とともに各事業者が、同プランを踏まえた広域化に取り組むことが重要としている。同プランの策定は、日水コン(東京都新宿区)が担当している。

 国はプラン策定に先立ち、18年12月に水道法を改正。経営基盤強化とコスト縮減などを見据え、自治体の広域連携や運営権を民間企業に委託するPFI手法の「コンセッション方式」などが盛り込まれた。

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