県内市町の水道耐震化等整備 交付金11市町17事業に4.4億円 新規で田沼浄水場と那須湯本管路更新

[2020/6/5 栃木版]
 県生活衛生課は、水道事業における国の生活基盤施設耐震化等交付金の内示箇所をまとめ、2020年度(19年度補正を含む)本県は11市町17事業で内示額が4億4272万円となった。新規は佐野市の田沼浄水場で紫外線処理装置を設置するため今年度は建屋の工事、21年度で設備を設置する。那須町は湯本地区約4000mの送水管を更新するため測量や詳細設計に着手する。

 宇都宮市は基幹水道構造物の耐震化、水道管路緊急改善事業に交付金を充当。松田新田浄水場を対象に沈殿池の底面や側壁などコンクリートを増厚する耐震補強を実施。4系統ある沈殿池の耐震補強を順番に進めるほか、急速ろ過池や配水池の耐震化も予定した。

 管路の緊急改善は16年度に創設。同事業は、布設後40年以上が経過した鋳鉄管・石綿管・鉛管・コンクリート管・塩化ビニル管・ダクタイル鋳鉄管を対象に基幹管路(導水管・送水管・配水本管)の耐震性の低い経年基幹管路について耐震管への更新を実施するもの。

 宇都宮市の同事業は、松田新田浄水場の導水連絡管の耐震化。国庫充当前の16年度に実施設計に着手。今年度は延べ240mの導水管を施工するほか、830平方mの舗装復旧工事を実施。全体では延べ4530mの更新を計画しており、次年度の施工に備え330mの実施設計も予算化した。

 佐野市は、クリプトスポリジウム対策として、新たに田沼浄水場へ紫外線照射装置を設置する。各浄水場への整備の一環で、前年度は多田浄水場を実施した。各浄水場とも2カ年をベースに整備を進めており、今年度は紫外線処理棟建屋を建築、来年度に装置設置と場内配管を予定した。

 鹿沼市は、第3浄水場の機能強化を目的に紫外線照射設備に加え、水道管路緊急改善と重要給水施設配水管事業を導入。水道管路緊急改善は第3浄水場への導水管のうち780mをダクタイル鋳鉄管に更新。うち今年度は390mを施工する計画。重要給水施設配水管では延べ4700mのうち1040mを計画している。災害時の広域避難場所となる鹿沼高校と鹿沼西中学校との配水ネットワークを構築することが目的で、25年度までに計画的に更新していく予定。

 大田原市は、湯津上地区で耐震管の整備を行う。地域防災計画で位置付けた緊急避難場所の湯津上中学校や公民館、病院など延べ2187mを整備し、配水ネットワークを構築する。耐震性の低い基幹水道施設の耐震化では、大田原浄水場の浄水池が対象。また、佐久山東部浄水場から配水池まで送水管400mを耐震管に更新する。

 那須塩原市は、鳥の目浄水場の耐震化で、今年度は第3配水池を更新する。容量4000立方m規模を維持し2池(V2000立方m×2)に分け整備する予定。重要給水施設整備は黒磯地区が対象。東原小学校や共栄小学校を対象に耐震管410m、舗装復旧4930平方mを予定した。

 さくら市は給水区域内無水源整備で、氏家南東部の一般県道花岡狹間田線東側の水道未普及地域を対象に、延べ9600mの管路網を計画。HPPEを主体に今年度は2480m(φ30~150)を計画しており、21年度完了予定で整備を進めていく。

 下野市と壬生町は、地域防災計画で位置付けた避難所や病院など重要給水施設での配水ネットワークを構築する耐震管の布設替え。壬生町は獨協医大への給水を確保するため、ダクタイル鋳鉄管延べ260mを施工。下野市は新4号東側の南河内地区を対象に、南河内東公民館など958mを整備する計画。

 塩谷町は、前年度に引き続き玉生地区で配水耐震管の更新を実施。玉生水源から南下し玉生コミュニティセンターなどダクタイル鋳鉄管500mを計画している。

 新規の那須町は、湯本地区を対象に、横沢浄水場から低区配水池と高区配水池への送水管約4000mをダクタイル鋳鉄管の耐震管に更新する計画。今年度に測量と詳細設計、21年度から工事に着手する見通し。

 那珂川町は、布設後40年を経過した耐震性の低い基幹管路1350mを対象に、23年度完了予定で施工を計画。久那瀬地区を対象に川崎浄水場から配水池までの送水管を整備。今年度施工延長は300mを予定した。

 交付金内示箇所は次の通り。([1]補助事業名[2][2]今年度事業内容[3]事業期間[4]国庫交付金内示額、▼は新規、単位・万円)
▽宇都宮市=[1]基幹水道構造物の耐震化[2]松田新田浄水場の沈殿池耐震補強工事[3]15~24年度[4]1651.4
▽宇都宮市=[1]水道管路緊急改善事業[2]導水管布設L240m、舗装A830平方m、実施設計330m[3]17~24年度[4]1億5025.4
▼佐野市=[1]高度浄水施設等整備[2]田沼浄水場紫外線処理棟建築[3]20~21年度[4]1250
▽鹿沼市=[1]水道管路緊急改善事業[2]配水管布設390m[3]18~21年度[4]1581
▽鹿沼市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L1040m[3]18~25年度[4]4065.1
▽鹿沼市=[1]高度浄水施設等整備[2]第3浄水場紫外線処理設備設置[3]18~21年度[4]3272.5
▽大田原市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L2187m[3]12~23年度[4]3389.7
▽大田原市=[1]基幹水道構造物の耐震化[2]大田原浄水場の耐震補強工事[3]19~26年度[4]141.1
▽大田原市=[1]水道管路緊急改善事業[2]送水管更新L400m[3]19~23年度[4]687.4
▽那須塩原市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L410m、舗装A4930平方m[3]12~21年度[4]600
▽那須塩原市=[1]基幹水道構造物の耐震化[2]鳥の目第3配水池の更新工事[3]19~29年度[4]1241.5
▽さくら市(氏家南東部)=[1]給水区域内無水源[2]配水管布設L2480m[3]19~21年度[4]2729
▽下野市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L958m[3]12~20年度[4]2065.2
▽壬生町=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L280m[3]10~24年度[4]2423.3
▽塩谷町(玉生)=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L500.7m[3]19~29年度[4]1707.6
▼那須町=[1]水道管路緊急改善事業[2]測量業務、詳細設計[3]20~29年度[4]1333.3
▽那珂川町=[1]水道管路緊急改善事業[2]送水管布設替L300m[3]19~23年度[4]1108.7

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