事業構想 検討に着手 旧迫川二期の農業施設(北上土地改良)

[2020/6/4 宮城版]
 農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、本年度から複数年かけて旧迫川二期地区の事業構想について検討し、とりまとめる。旧迫川地区には、1966~78年の国営かんがい排水事業で整備された揚水機場6カ所や幹線用水路6路線、幹線排水路3路線などがあり、これらの排水解析や老朽度調査などを行い、揚水機場の統廃合も視野に入れながら更新や改修の必要性を見極める。
 事業構想の検討に当たり、3日付で「旧迫川二期地区事業構想検討その他業務」の一般競争入札を公告した。地域整備方向検討調査として進める最初の検討業務で、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けている者が参加できる。
 入札のスケジュールは、参加申請書や技術提案書の提出期限が17日。入札の提出期限は郵送が7月7日、電子と紙が翌8日。開札日は同8日。履行期間は2021年3月19日まで。
 旧迫川地区は、登米市と涌谷町にまたがる水田地帯で、受益面積が6460ha。地区内の揚水機場は▽箟岳▽米山▽南方▽高石▽西館▽山吉田──揚水機場の6カ所が設けられている。用水路は▽箟岳▽米山▽南方▽西館▽山吉田▽穴山──幹線用水路の6路線で延長が計21.1km。排水路は▽米山▽米山中央▽高石──幹線用水路の3路線で延長が計12.2km。
 このうち、箟岳揚水機場と箟岳幹線用水路は、国営施設応急対策事業で先行的に改築や改修を進めることになっている。本年度は主要工事計画などをまとめるため、5月29日付で「旧迫川地区事業計画補足検討業務」の一般競争入札(総合評価)を公告した。6月12日まで参加申請書や技術提案書を受け付け、7月3日に開札する。
 この業務では、老朽化によってポンプが異常停止した南方揚水機場と山吉田揚水機場の原因究明調査も行う。履行期間は2021年3月19日まで。調査の結果次第では、旧迫川二期地区の事業構想を策定する中で、両施設の更新や改修などを優先的に盛り込む可能性がある。
 南方揚水機場は、立軸斜流型のポンプが4台備わっている。ポンプの内訳は、口径1000mmが1台、1500mmが3台。揚水能力は毎秒2t。山吉田揚水機場は、口径1100mmの横軸斜流ポンプが3台備わっており、揚水能力が毎秒8.2t。両揚水機場には建屋、排水槽、吸水槽、吐水槽、排水樋門、排水樋管などが設けられている。

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