鹿島・遠藤JVを選定 最終処分場の造成プロポ(石巻市)
[2020/6/3 宮城版]
石巻市は、市一般廃棄物最終処分場埋立地建設工事の公募型プロポーザルで、鹿島建設(東北支店・仙台市青葉区)・遠藤興業(石巻市)特定JVを契約候補者に選定した。同JVはプロポの審査で100点満点のところ73.4794点を獲得した。今後に見積もり合わせした後、市議会の承認を経て請負契約を結ぶ。
新しい最終処分場は、南境字大衡山地区の山林を切り開いて整備する。敷地面積は約8ha。埋め立て容量は18万7000立方mを計画。施設はオープン型を想定しており、浸出水処理施設や管理棟などを設ける。
新最終処分場の整備に当たっては、埋立地建設工事と浸出水処理施設等建設工事の2件に分け、設計と施工を一括し公募型プロポーザルで請負企業を決めることにした。
埋立地建設工事は、実施設計の作成や、造成工として36万0200立方mの切土工と、43万6300立方mの盛土工を進めるほか、4万6900平方mの法面工、延長1万4900mの集排水施設工、6万3100平方mの遮水工、延長7000mの道路築造工を行う。工期は2023年2月28日まで。プロポの提案上限額は69億4980万円。
プロポには同JVと、安藤ハザマ・豊和建設・若築建設特定JVの2者が技術提案書を提出。選定委員会(委員長・須藤敦史東北工業大学工学部教授)での審査を経て契約候補者を決めた。安藤ハザマ特定JVの獲得点は70.1408点だった。
もう1件の浸出水処理施設等建設工事は、凝集沈殿処理設備や生物処理設備、浸出水処理施設配管敷設、給水管敷設、電気・計装設備、浸出水処理施設棟と管理棟の建築などに関する実施設計と工事を担う。工期は23年2月28日まで。提案予定限度額は19億3930万円。8日にプロポの審査結果を公表する予定だ。
新最終処分場の基本計画・基本設計の策定業務は八千代エンジニヤリング(東京都台東区)、建設予定地の測量業務は千葉測量技研(石巻市)、地質調査業務は中央開発(東北支店・仙台市若林区)に委託した。
市は20年度予算で、新最終処分場の設計・施工監理業務委託費に3850万円、建設工事費に20億円を計上するとともに、建設事業費として21~22年度で限度額71億3650万円の債務負担を設定している。
市の一般廃棄物処理基本計画には、現行の最終処分場が22年度に満杯となることから、新たな最終処分場の整備が必要と明記されている。既存の最終処分場は、南境地区、河北地区、雄勝地区、河南地区、牡鹿地区の5カ所があるものの、稼働しているのは南境と河南の2カ所のみ。中間処理施設などから排出される残渣を埋立処分している。河北、雄勝、牡鹿の3カ所は満杯で、本年度から順次、焼却施設の解体を進める。