改正品確法で工事発注者に新3指標 全国統一で設定(国交省)

[2020/5/21 千葉版]
 国土交通省は20日、品確法の改正を踏まえた公共工事の発注関係事務に関する「新・全国統一指標」を決定すると発表した。改正品確法の理念を現場で実現するため、工事だけでなく測量・設計などコンサルタント業務も加え、今後、全国の「地域ブロック発注者協議会」で継続的に審議し、地域ブロックごとで「地域独自指標」の設定も計画。公共事業の発注者が一丸となって公共工事の品質確保に取り組むとした。

 同省が新たに「新・全国統一指標」として定めるのは、工事については[1]地域平準化率(施工時期の平準化)[2]週休2日対象工事の実施状況(適正な工期設定)[3]低入札価格調査基準又は最低制限価格の設定状況(ダンピング対策)──の3点。

 このうち[1]については、国や都道府県、市区町村による発注工事の稼働件数から算出した平準化率を示し、[2]は週休2日対象工事の設定割合、[3]は低入札価格調査基準または最低制限価格などの設定割合をそれぞれ示している。

 今後は発注者協議会で、新・全国統一指標または地域独自指標として、19年度の実績値による「基準値」や「目標値」などを協議していき、今年秋ごろをめどに発注者協議会で決定させる。実績については毎年度公表していく考えだ。

 新たに設けられたコンサル分野でも[1]地域平準化率(履行期限の分散)[2]低入札価格調査基準又は最低制限価格の設定状況(ダンピング対策)──の2点について、新たに指標が設けられる見通しだ。

 その設定方針としては「必ず実施すべき事項」として[1]予定価格の適正な設定[2]低入札価格調査基準または最低制限価格の設定・活用の徹底等[3]履行期間の平準化[4]適正な履行期間の設定[5]適切な設計変更[6]発注者間の連携体制の構築──の6つを挙げており、また「実施に努める事項」として[1]ICTを活用した生産性向上[2]入札契約方式の選択・活用[3]プロポーザル方式・総合評価落札方式の積極的な活用[4]履行状況の確認[5]受注者との情報共有、協議の迅速化──を求めている。

 工事の[1]地域平準化率は、第1四半期(4~6月)の工事平均稼働件数を、同年度の工事平均稼働件数で除して(割って)求めるもの。本県が属している関東ブロックは0・65、このうち本県は0・55ととりわけ低く、全国平均の0・67と比べても大きく下回っている。

 2019年6月の「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」(改正品確法)公布・施行を受けて同省では今年1月、これを踏まえた「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)を改正し、都道府県や市町村を含む全ての公共工事の発注者が適切に発注関係事務を運用し、品確法に定められた発注者としての責務を果たしていくとしていた。

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