善川4㎞で築堤設計 2四半期に一般競争入札(北上川下流)
[2020/5/15 宮城版]
国土交通省北上川下流河川事務所は、善川の延長約4㎞区間(大和町~大衡村)で河川堤防をかさ上げするため、第2四半期に一般競争入札で吉田川上流築堤詳細設計業務を委託する。同じ第2四半期には、鳴瀬川中流水越上流・下中ノ目地区の築堤詳細設計業務も一般競争入札で委託する予定。鳴瀬川中流の築堤では、吉田川の河道掘削で発生した土砂を活用する。
善川の河川堤防は、吉田川や竹林川と合流する地点から上流の古館橋(県道大衡駒場線)までに至る区間が、もともと県の管理していた区間で暫定形になっているため、計画高にまでかさ上げする。すでにこの区間は県から国の直轄区間に移行済み。
昨年度は同区間の築堤検討業務を八千代エンジニヤリング(北日本支店・仙台市青葉区)に委託した。業務内容は、右岸側の測量と、法線形や堤防形状、基本断面形状の検討など。
右岸の築堤工事は、「新たな水害に強いまちづくりプロジェクト」の一環で行う。同プロジェクトは、昨年10月に起きた東日本台風の被害を踏まえ、東北地方整備局や県らが定めたもので、5年程度をかけて治水対策を進める。同局の総事業費は現時点で約267億円を試算している。
左岸については、吉田川の床上浸水対策特別緊急事業で善川遊水地(周囲堤)を整備することになっており、この事業で堤防を築く。
鳴瀬川中流地区の築堤も同プロジェクトの一環で行う。築堤の詳細設計業務は▽練牛▽練牛・塩釜▽塩釜▽水越下流▽水越上流――地区の5件に分け、先月16日に一般競争入札を開札し、水越上流を除く4件は、ウヌマ地域総研(仙台支社・仙台市泉区)、復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)、三協技術(同)、東邦技術(仙台支社・仙台市若林区)が落札。
水越上流の1件は、5者が参加したものの、4者が先の4件を落札したために抜けることになり、最後の1者が資格要件を満たさなかったため、取り止めとなった。
第2四半期に委託する水越上流・下中ノ目地区の築堤詳細設計業務は、その水越上流に下名中ノ目地区を加えた延長3㎞区間について、築堤の詳細設計と、測量調査、地質調査をまとめる。履行期間は約7カ月。