6,603件・3,753億円取扱 19年度の県内公共工事動向(東日本建設業保証千葉支店)
[2020/5/8 千葉版]
東日本建設業保証千葉支店がまとめた、前払金保証実績からみた県内公共工事の動向(2019年度版)が明らかになった。19年度の全県での前払金保証取扱高は、件数が6,603件で、前年度比で87件(1・3%)減少し、請負額は3,753億円と、同13億円(0・4%)の減。国や都県の発注分は前年度比増であるなど好調だったものの、成田国際空港(NAA)を含む独立行政法人等の取扱減が影響した。
発注者別に前払金保証取扱高をみると、国は対前年度比で80億4,300万円(42%)のプラス。主な要因として、国土交通省の発注による舞浜立体山側上部工事や東京湾浅場造成工事などの大型案件があったという。
独立行政法人等は、18年度比の請負額が239億0,200万円(30%)のマイナスと、前年度に大幅プラスだった反動が出た。千葉大学の中央診療棟工事などがあった一方で、日本中央競馬会(JRA)による中山競馬場のスタンドリフレッシュ工事分の減や、NAAの取扱件数が減ったことが大きかったとした。
都県の請負額は前年度比で204億6,800万円(21%)のプラス。県土整備部による取扱件数こそ減ったものの、県病院局のがんセンター新棟建築工事や、県教育委員会による総合スポーツセンター野球場工事などがそれぞれ増加したことの寄与があったとした。
市町村については全体で同27億7,500万円(1・9%)のマイナス。請負額の増加した市をみると、市立小中学校の空調設備整備事業などで44億円増となった市原市を筆頭に、浦安市のプラス39億円(東野地区複合福祉施設建築工事等)、千葉市の同29億円(中央浄化センター水処理施設工事等)と続いた。
一方で減額が大きかったのは、新庁舎建設関連工事が一段落した旭市のマイナス38億円が目立ち、このほか市川市の同35億円(塩浜学園新築工事)、船橋市の同35億円(南部清掃工場建設工事)の減などが全体の減額に影響している。
これら以外をみると、地方公社は18年度比8・1%となる2億1,300万円のマイナス。その他地方公社の取扱減でマイナス2億7,900万円となったのが大きい。「その他」は、同29億4,100万円(10・1%)の減となり、自治体出資法人(旭中央病院)のプラスこそあったものの、事務組合(香取市東庄町病院組合)や、補助法人(社会福祉法人)などの取り扱いが減少したためとしている。
前払金限度額、全自治体が撤廃
同社ではこれらのほか、19年度の「中間前払金」の保証取扱高が156件・232億8,200万円だったことも公表。18年度比で21件、請負額は3億2,700万円(1・4%)のそれぞれマイナスだった。中間前金払制度については、今年4月1日現在で▽九十九里町▽芝山町▽一宮町──の3町で新たにスタートした。
前金払の支出限度額については同時に、多古町と一宮町が撤廃したことで、県内54自治体全てで限度額の廃止に至った。また、委託業務での契約前金払制度も、九十九里町と一宮町で適用を始めたことで、未導入の自治体が残り1カ所となるなどしている。