砂防事業は総額90億円 直轄事業計画を通知(東北整備局)
[2020/4/24 宮城版]
東北地方整備局は21日付で、県と仙台市に対し直轄事業の2020年度事業計画を通知した。この中で、阿武隈川水系(丸森地区)の特定緊急砂防事業は事業期間が20~24年度、全体事業費が90億円に上る見通しを示している。人件費などの工事諸費を除く事業費は約65億円。ただし、事業計画は現時点での予定であり、今後に変更する可能性がある。
事業計画通知は、全体事業費や20年度の事業内容、残事業費、地方負担額などを明らかにしている。
特定緊急砂防事業は、昨年10月の東日本台風による被害を踏まえ、県からの要請を受けて国直轄事業で砂防堰堤群を整備する。内川、五福谷川、新川の流域面積146.5キロ平方mを対象に、必要箇所への砂防堰堤の新設や、既存堰堤のかさ上げなどを行う考え。
本年度は事業費に10億2500万円が配分されており、砂防設備の設計や用地取得、砂防堰堤工などを進める。今後の事業展開では、21~23年度に約15億円ずつ、24年度に約10億円を充てる見通し。これは工事諸費を除いた金額。ただ、砂防事業の具体的な対策は検討段階にあるため、変更になる可能性が高い。
これ以外の主な事業展開を見ると、一般河川改修事業は21~25年度の5カ年で、阿武隈川水系に約135億円、名取川水系に約14億円、鳴瀬川水系に約125億円、北上川水系に約490億円を充てている。阿武隈川水系には福島県内の事業費、鳴瀬川水系には吉田川の床上浸水対策特別緊急事業費、北上川水系には岩手県内の一関遊水地の整備事業費が含まれる。
道路関係では、国道108号古川東バイパス(BP)の改築事業が残事業費として21年度以降に約35億円を試算。用地進捗率は約98%、事業進捗率は約49%で、用地買収が順調に進んだ場合25年度に全線が開通する予定。
国道4号仙台拡幅は、用地進捗率が100%、事業進捗率が約58%で、20年度以降の残事業費に約150億円を見積もっている。
仙台塩釜港の仙台港区ふ頭再編改良事業は、全体事業費が125億円で、21年度に約22億円、22年度に約12億円、23年度に約6億円の配分を見込む。23年度の完成を予定している。
石巻港区雲雀野地区の国際物流ターミナル(南防波堤)整備事業は、本年度の工事費が9億7215万円、測量設計費が1億3800万円。次年度以降は21年度が約30億円、22年度が約27億円、23年度が約23億円、24年度が約16億円、完成予定の25年度が約19億円となっている。