山手地区の雨水管1・2km築造へ25億円 推進工法で3カ年(船橋市)
[2020/4/22 千葉版]
船橋市下水道建設課は2020年度から、山手1~3丁目の大雨による浸水被害解消へ、大口径の雨水管整備に着工する。延長約1・24kmにわたり、1,800~2,600mmの雨水管を整備し、上長津川への放流を図るもので、初弾となる1工区目の今年度の工事は、第2四半期(7~9月)にも約26カ月の工期で一般競争入札したい考え。20年度の当初予算では、これらの築造に3カ年で総額25億6,700万円の継続費が設定されている。
今回築造を図る「上長津川1号幹線」は、イオンモール新船橋店西側のさら地を南北に通る市道の下から北行して大きく東側にカーブ、東武ストア南側の市道を東西に走り、東武アーバンパークラインの手前で同線に沿って南行し、同線をアンダーパスして上長津川に放流するルートとなっている。設計は17年度、新日本設計(千葉営業所・千葉市緑区)が手掛けた。
3カ年の継続費の内訳は、20年度が1億3,500万円としたほか、21年度は18億0,400万円、22年度が6億2,800万円となっている。
工事は数カ所で設置する計画の立坑の間隔ごとに、推進工法や一部でシールド工法も検討するなどして工区分けして進める計画。20年度は管径2,600mmの雨水管を整備するため、約740mにわたって市道直下の掘削を始める予定でいる。
市ではこれらに先立ち、雨水整備計画を策定。市内139排水区について過去の浸水被害などから、詳細に検討すべき34排水区を抽出。さらに詳細なシミュレーションの結果などから、優先整備地区として6地区を選定。5年に1回程度発生する大雨に対応できる、下水道事業による雨水整備を進めるとしていた。
その優先整備地区6地区として市は▽二和東・咲が丘地区▽高根台地区▽松が丘地区▽習志野台地区▽湊町地区──とともに、今回の上長津川排水区を含む山手地区を選定していた。今回の整備はこれらで5カ所目の整備着手となる。
一方で市は、排水区全体を整備するのではなく、下水道の全体計画に位置付けられた主要な雨水管渠などを先行して建設し、被害地区に集中した効果的な段階的整備を推進し、早期の被害軽減を図るとした。
また、浸水被害により、現地の状況などを勘案したスポット的対策である緊急対策として、局所排水ポンプや河川の部分的な暫定改修、流出抑制施設、既存施設の有効利用、グレーチング蓋への取り換え、集水施設などとも整合を図りながら、これらの整備を進めていくとしている。