建設技術研で河道計画 丸森3河川/1四半期に随契へ(宮城南部復興)

[2020/4/21 宮城版]
 国土交通省宮城南部復興事務所は、昨年に台風被害を受けた丸森町内の内川など3河川を直轄権限代行で改良復旧するため、第1四半期に「内川等河道計画検討業務」を委託する。業務の委託先は建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)を予定しており、同社と随意契約する考え。この業務成果を踏まえ、河川施設の配置などを決めて今後の工事計画に反映させる。
 昨年の東日本台風では、県が管理する同町内の内川、五福谷川、新川で堤防が計18カ所決壊するなどの被害を受けた。この3河川の本格復旧工事は、県からの要請を受け、国交省が直轄権限代行で行う。
 本復旧では決壊した18カ所を築堤し直すとともに、決壊箇所の前後を含む3河川を合わせた延長約8.5km区間で天端舗装工や天端保護工、法尻保護工、河道掘削などを進める。
 今回委託する河道計画検討業務は、台風に伴う水害で川の形が変わったため、危険度を踏まえた上で、復元に向けた対策をどう進めるか検討する。県が復旧方法の検討のために調査して得た基礎データを引き継ぐことになる。この県の調査業務を建設技術研究所が担っていたため、同社と随意契約する予定だ。履行期間は3カ月。
 宮城南部復興事務所は業務成果を踏まえ、新たな堤防などの配置を決めるとともに、堤防断面をどの程度確保するかや、河道をどの程度掘り込むかといったことを見極める。
 事業計画によると、全体事業費は河川等災害復旧費が内川に54億円、五福谷川に25億円、新川に8億6000万円で計87億6000万円を試算。このほか、3河川の河川等災害関連事業費に130億円を見積もっている。
 河川等災害復旧では、主に堤防護岸の工事と、一部で掘削工事を行う。河川等災害関連事業では、改良分として計59万4000立方mの河道掘削と、計7万6000平方mの護岸工、計5万6000立方mの天端保護工を行う計画になっている。
 本年度は、近く指名競争入札で阿武隈川水系内川等災害復旧(その1)工事と、同その2工事を発注するほか、第3四半期に一般競争入札で阿武隈川水系内川上流護岸復旧工事をその1~3の3件に分けて発注する。
 指名競争の工事は、その1が4万立方mの河道掘削、その2が4万立方mの河道掘削と大型土のう3000個の制作で、ともに概算工事規模が2億~3億円、工期が約6カ月。すでに指名通知済みで、近く開札する。掘削した土砂は町内の処分場に置くことを想定しているものの、最終的には県や町の工事で有効活用してもらう方向で調整する。
 一般競争で発注する工事は、3件とも延長450mの護岸復旧工で、概算工事規模に1億~2億円、工期に約6カ月を設定している。

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