八溝地域幹線道路で調査 茨城県と交通需要検討 県広域道路網計画策定へ 県交通政策課
[2020/4/21 栃木版]
県北東部の八溝地域における幹線道路網計画が動き出す。国の総合交通政策事業補助を活用するもので、県交通政策課によると、茨城県と協議調整を行い、どのような交通需要があるか検討していく予定とした。現在のところ、八溝地域の企業など利用者の聴き取り調査等を想定しているとした。国は重要物流道路整備と合わせ、中長期的な交通計画として関東地方整備局を単位とする広域道路網計画策定の検討を進めており、県は同計画を受け、県版を策定する予定という。
八溝地域には魅力ある資源が多いものの、東北、常磐、磐越の各自動車道といった高速道路の各ICまで30分以上の時間を要している。県内の他の地域に比べ、不便さが際立っており、高規格幹線道路の空白地帯になっている。
2016年6月に県土整備部が公表した「とちぎみちづくり構想」の広域道路マスタープランによると、東北自動車道から南進する「那須・白河幹線」に続く茨城県方面道路として、「つくば広域・栃木東部道路連絡幹線」を位置付け。通過自治体には、那珂川、那須烏山、市貝、茂木、益子を経由し茨城県つくば地域を結ぶ。両道路は、北は福島空港、南は茨城空港を視野に、県北部から東部を縦断して東北自動車道と常磐自動車道との接続を目指す構想。本県では現在、国道294号がメインルートとなっている。県は今年1月、ルート等検討業務を富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)に委託、県単で今年度成果品をまとめる予定。
また、南北軸に交差する東西の幹線軸として、同マスタープランでは「那須南・茨城北部連絡幹線」を位置づけ。東は茨城県北茨城や高萩市、西は日光・尾瀬を経由し、群馬県沼田市や新潟県新潟市を結ぶ。通過自治体には、大田原、矢板、塩谷、日光を経由、茨城県とは国道461号がメインルートとなっている。
構想を実現するため、県北東部8市町の首長や県会議員らで構成する八溝地域道路整備促進同盟会(会長・三森文徳県議)が17年度に発足。昨年10月には国交省などを訪ね、東北自動車道と常磐自動車道の中間に位置し、高速道路ネットワークを補完する道路の整備について要望活動を行った。
茨城県は17年度、茨城・栃木・福島3県の広域連携軸形成のための道路懇話会を主導。国道461号などの機能強化を提案としてまとめている。