加工場2カ所に立地 幸勝水産と長栄水産(女川町が土地提供)
[2020/4/8 宮城版]
女川町の水産加工団地に、新たに水産加工業の幸勝水産と長栄水産が立地することが内定した。両社とも町内の事業者で、来年3月までに水産加工場を建設する見通し。建設事業費のうち、町が国の復興交付金を活用し、幸勝水産に約17億5000万円、長栄水産に約4億2000万円を補助する予定だ。水産加工団地は大震災後に町が土地区画整理事業で造成した。
幸勝水産は、石浜・宮ケ崎地区の17-1区画と17-5区画を活用して水産加工場を建てる。町によると、この2区画は隣接しており、敷地面積が計1万0851平方m。建物はS造2階建て延べ5678平方mの規模を計画。加工場や事務所のほか、冷蔵・冷凍施設を設ける見込み。
長栄水産は、伊勢地区の2-3区画に立地する。敷地面積は2435平方m。建物はS造2階建て延べ1395平方mの規模を計画。水産加工場と事務所が入る予定。
長栄水産によると、同社は第1工場が震災津波で流され、現在は浦宿浜地区の第2工場に本社機能を置いている。今後は伊勢地区に本社機能と工場を移すことになるそうだ。
町は本年度の当初予算で、水産業共同利用施設復興整備事業の補助金に42億9550万円を計上している。同事業は、町内に水産加工施設を設ける民間事業者に対して、建設費の一部を補助する。今回計上した予算と、前年度からの繰り越し分を合わせた約70億円を7者に補助する予定だ。
7者のうち、4者はすでに施設の建設に着手済みで、残りが幸勝水産と長栄水産、サンスイの3者。サンスイは町内の事業者で、これから建設に着手する見通し。
補助対象の事業費は、水産物加工処理施設が20億円、または敷地面積に20万円を乗じた金額のどちらか少ない方の額。水産物鮮度保持施設(製氷・貯氷・冷蔵・冷凍施設)は10億円、または敷地面積に20万円を乗じた金額のどちらか少ない方の額。町の補助額は、補助対象事業費の8分の7以内となる。