自然公園29施設に5.4億円 展望塔や歩道改修 首都圏歩道の計画策定検討 県自然環境課

[2020/4/4 栃木版]
 県自然環境課は3日までに、2020年度に実施する自然公園等施設整備事業の概要をまとめた。補助営を含む全体事業費は29施設で5億4096万円。日光国立公園満喫プロジェクトにより国庫で日光国立公園内13施設の改修として3億8707万円を計上したほか、首都圏自然歩道には鯉と山あいのみち(茂木町)など8施設に5800万円となった。首都圏自然歩道は20年度が最終で、東北自然歩道との接続路線等の劣化状況を見極め、整備計画の策定を検討する。県単の自然公園等施設整備事業には8施設に9589万円で、歩道や益子の森展望塔の補修などを進めていく。これら直営を除く設計委託や工事は上半期にも発注できるよう準備を進めていくとした。

 県単の自然公園等施設整備事業は、日光国立公園や県立自然公園を安全で快適に利用するため、歩道や園地、駐車場など主に木製構造物の自然公園施設を再整備する。工事箇所は日光市など8施設に予算を配分した。

 県単のうち新規の中宮祠園地(日光市)は老朽化し利用できなくなった中禅寺湖の桟橋の撤去のほか、小田代ヶ原ではシカ柵出入口の開閉扉の改修を行う。益子県立公園(益子町)では、約20年が経過している木製展望塔を改修するため、設計と工事を発注。那須高原歩道(那須町)は歩道改修に予算を計上したほか、八方ヶ原道路(矢板市)は駐車場を補修する。

 外国人観光客の増加を背景に、国庫交付金を充当する東京オリンピックの開催を見据えた日光国立公園内の施設整備は20年度までに集中的な投資を実施するもの。継続の中禅寺湖周回線歩道と鬼怒川鶏頂山線歩道が歩道の再整備に加え、那須高原歩道、塩原渓谷線歩道(那須塩原市)、八方ヶ原明神ヶ岳線歩道(矢板市)など老朽化した危険箇所の歩道修繕を行う。

 交付金対象の首都圏自然歩道整備は、新規の風土記のみち(栃木・下野・小山市)や継続の風薫る山里のみち(真岡市・益子町)など県が歩道の案内標識等の更新をはじめ、補助営では栃木市が桜咲くパノラマのみちにある歩道手摺の修繕など安全対策を行う。

 現在の首都圏自然歩道の整備は4カ年計画。事業費2000万円以上で最低3カ年の計画に合致する再整備が21年度からも必要かなど、東北自然歩道への接続路線等の劣化状況も見極め、補助営を含めた市町とともに策定の必要性を検討していくとした。国庫交付金の補助率は40%。

 主な事業箇所と概要は次の通り。(▼は新規)

 《自然公園等施設整備事業・交付金》
【県営】
▽中禅寺湖周回線歩道(日光市)=歩道改修
▽那須高原歩道(那須町)=歩道改修
▽鬼怒川鶏頂山線歩道(日光市)=歩道改修
▽塩原渓谷線歩道(那須塩原市)=歩道改修
▽八方ヶ原明神ヶ岳線歩道(矢板市)=歩道改修

 《首都圏自然歩道整備事業・交付金》
【県営】
▽風薫る山里のみち(真岡市・益子町)=歩道改修
▼鯉と山あいのみち(茂木町)=歩道改修
▼風土記のみち(栃木市・下野市・小山市)=歩道改修
▼ゆうがおのみち(下野市)=歩道改修
【補助営】
▼桜咲くパノラマのみち(栃木市)=歩道改修

 《自然公園等施設整備事業・県単林務》
【県営】
▼中宮祠園地(日光市)=桟橋撤去
▼小田代植生復元施設(日光市)=開閉扉改修
▽益子県立自然公園(益子町)=展望塔改修等
▼那須高原歩道(那須町)=歩道補修
▼八方ヶ原線道路(矢板市)=道路補修

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