建設工事1077件 8月にWTO南部職業校 出先機関の工事が増加(宮城県 20年度発注予定)
[2020/4/2 宮城版]
宮城県は4月1日、2020年度の公共工事発注予定を公表した。発注額が250万円以上となる案件は、1日時点で建設工事が1077件、建設関連業務が623件となった。大河原町内に新設する南部地区職業教育拠点校(仮称)について、8月に約63億円規模の新築工事を発注する。県内で唯一、防潮堤整備が未着手の日門漁港(気仙沼市)では、延長310mを築堤する工事を7月に発注する。
建設工事の発注件数は、前年同期比で2.6%の減少(29件減)となった。1077件のうち、本庁の発注分は305件。出先機関の発注分は772件。復興事業の進展で本庁が取り扱う大型工事が減ったため、本庁分は同28.1%の大幅な減少となった(119件減)。反対に出先機関の工事は13.2%増えた(90件増)。
四半期別の件数と前年比は▽第1四半期466件(12件減)▽第2四半期458件(40件増)▽第3四半期137件(37件減)▽第4四半期16件(20件減)――となっている。
部局別の件数を見ると、土木部は全体の55.5%を占める598件(本庁136件+出先462件)を所管している。次いで件数が多いのは農政部の151件(本庁3件+出先148件)で、全体の14%を占めている。水産林政部は82件(本庁1件+出先81件)となった。農政部、水産林政部とも、本庁の所管分が極めて少なくなった。
このほかの部局では、上・下水道事業などを所管する企業局が86件(本庁15件+出先71件)。教育庁が65件(本庁59件+出先6件)。県警本部が63件(本庁のみ)などとなっている。
水産林政部は本庁が所管する唯一の工事として、「日門漁港日門防潮堤工事」を7月に発注する予定。概算工事費は16億円を見込んでいる。日門漁港では防潮堤の高さを巡り、住民との合意形成が難航した。最終的に国道45号をかさ上げし、兼用堤を整備することで合意。復興・創生期間内の完成を目指し、310mを築堤する。
大規模公共事業として実施する南部地区職業教育拠点校の工事では、8月に「南部地区職業教育拠点校新築工事」を発注する。所管は土木部営繕課。柴田農林高校の敷地を活用し、RC造(一部S造)3階建て延べ1270㎡の校舎棟や実習棟などを新築する。入札はWTO対象となる予定。
学校施設の再整備では、同じく大規模公共事業として実施する宮城第一高校(仙台市青葉区)の改築について、「宮城第一高校舎等解体工事」を11月に発注する。新校舎の建設前に既存校舎を取り壊し、建設用地を確保する。
障がい者の入所施設「船形コロニー」(大和町)の改築事業では、11月に「船形コロニーC棟改築工事」と「船形コロニー活動棟新築工事」の2件を発注する。先行して改築している入所者用の居住施設A棟、B棟に続き、木造平屋3680㎡のC棟を建設する。
警察職員用の住宅整備では、7月に「角五郎単身者用待機宿舎新築工事」を発注する。概算工事費は9億6500万円を見込み、青葉区角五郎地区にRC造4階建て延べ1673㎡の共同住宅を建設する。
2015年9月の関東・東北豪雨に続き、昨年10月の東日本台風でも氾濫した渋井川(大崎市)には、背水を防ぐ水門を整備する。8月に土木部河川課が「渋井川水門工事」を発注する方針。概算工事費は20億円を試算している。週休2日モデル工事を予定している。
蔵王山の融雪火山泥流の抑制に向けて、土木部防災砂防課は7月に「松川流路工工事」と「松川流路工工事その2」を発注する。護岸などの整備に関し、ICTの活用を推進する工事とする方針だ。