河道掘削4件が落札 吉田川/土砂は築堤用に改良(北上川下流)

[2020/3/18 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は、吉田川の河道掘削工事について、10日に4件の一般競争入札を開札し、総合評価を経て落札者を決めた。川下地区は佐藤工務店(加美町)が2億4900万円、内響地区は金原土建(大崎市)が2億4910万円、浅井地区は丸本組(石巻市)が2億4750万円、野蒜地区は丸か建設(加美町)が2億5500万円で落札した。掘削した土砂は必要に応じて改良し、鳴瀬川中流の築堤などに有効活用する。
 工事内容を見ると、川下地区は東松島市川下~松島町竹谷地区で2万4000立方mの掘削と、3100立方mの工事用道路工を進めるほか、大崎市鹿島台木間塚地区で1万立方mの盛土と、1万1100立方mの土質改良、7440平方mの植生工を行う。
 内響地区は、東松島市川下地区で2万4000立方mの掘削と、1100立方mの工事用道路工を実施するほか、美里町大柳地区で1万立方mの盛土と、1万1100立方mの土質改良、7770平方mの植生工を担当する。
 浅井地区は、東松島市浅井~川下地区で2万1000立方mの掘削と、1200立方mの工事用道路工を行うほか、大崎市鹿島台木間塚地区で1万立方mの盛土と、1万1100立方mの土質改良、5060平方mの植生工を進める。
 野蒜地区は、東松島市野蒜~浅井地区で2万2000立方mの掘削と、1000立方mの工事用道路工を施工するほか、美里町二郷地区で1万立方mの盛土や、1万1100立方mの土質改良、4980平方mの植生工を担当する。
 工期は4件とも12月25日まで。土砂は、これまでに掘削したものが木間塚地区に仮置きしており、これを土質改良して築堤に活用し、その分の空いたスペースに今回掘削する分を仮置きする。1年ほど仮置きして水抜きし、次の掘削工事で必要に応じて土質改良するといったサイクルを繰り返す。
 吉田川の河道掘削や鳴瀬川中流の築堤は、吉田川の「新たな水害に強いまちづくりプロジェクト」の一環で進める。このプロジェクトは、昨年の東日本台風で被害を受けたことを踏まえ、国と県が連携し、治水対策として5年程度かけて実施する。
 総事業費は約267億円で、うち約241億円は河川大規模災害関連事業に配分し、国が2019~24年度の6カ年で事業を進める。吉田川の土砂の掘削量は108万5000立方mを見込んでいる。残りの約26億円は河川等災害復旧事業に活用し、国が19~23年度の5カ年で事業を行う。県管理河川については現時点で確定していないため、今後に追加となる予定だ。

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