ネクストコア誉田が供用 6区画中1画地は分譲中(千葉市)
[2020/3/17 千葉版]
千葉市経済農政局企業立地課は16日、緑区誉田2丁目に残る明治大学誉田農場跡地で進めていた、市の新たな産業用地「ネクストコア千葉誉田」が、18日から道路などの供用を開始すると発表した。それぞれ2・4haを超える全6区画中の3区画が分譲済みとなっているといい、残り3区画のうち2区画が商談中、1区画が分譲中になっているという。17日には開発行為の完了公告が行われる見通しだ。
同施設では幅員14mの道路を整備し、同区域東側の市道誉田町野呂町線から区域内に接続する取付道路と区域内道路があり、ともに両側には幅員2・5mの歩道が整備されている。
公園は2カ所に設けられており、このうち「誉田農場跡公園」には、東屋(あずまや)や遊具のほか、明治大学から寄贈された「明治大学農学部発祥の地」の石碑と、サクラの木が3本整備された。
もう一方の誉田農場跡第2公園内には、健康遊具を整備が整備されているほか、下水調整池が区域内に1カ所新設されている。
画地はA-1(2万4,676平方m)とA-2(2万4,719平方m)のほか、B-1~4の4画地、計6画地がある。A-1はこれまでに、一蘭が食品製造および製造・加工工場を設置予定であるほか、A-2はユアサ・フナショクが、卸売(食品)とともに自社用の倉庫兼事務所を設置予定であるという。
B-1の3万2,989平方mは分譲中であるとともに、B-2(3万3,058平方m)とB-4(3万9,564平方m)は現在商談中。B-3(2万3,777平方m)はタカラ食品工業が食品製造および製造・加工工場として進出するため、ともに分譲済みとなっている、
「ネクストコア千葉誉田」は、エム・ケー(東京都日野市)の企画提案により、市の建設負担金を活用し、官民連携による産業用地を整備していたもの。2016年10~11月にかけてはプロポーザル方式による事業者選定が行われ、16年12月には事業計画が認定。17年11月に開発許可が下り、18年1月には起工式が執り行われている。
市は17年9月「脱・財政危機」宣言を解除した一方で、財政健全化の取り組みが必要な状況が続いているとするとともに、市の第3期財政健全化プラン(18~21年度)でも、歳入の確保対策として、企業誘致推進による法人の税収基盤を強化することが取盛り込まれるなど、以降も民活を導入しながら必要な産業用地確を確保し、切れ目ない企業誘致を実施することで、さらなる雇用の確保や地域経済への波及効果を図ることを目指すとしていた。
市では分譲中だった千葉土気緑の森工業団地や、ちばリサーチパークでも企業の進出が近年相次ぎ、市内で紹介できる産業用地がなくなりつつある状況を踏まえ、早急に次期産業用地について検討するべく、さまざまな取り組みを進めていた。
市は16年度から、企業立地の一層の促進と競争力のある産業の集積を目的に、新たな産業用地の整備を進めるため、豊富な同種の実績を持つ民間事業者の資金や経営能力、技術力を活用して造成工事と企業誘致などを含めた、実現可能な産業用地整備の企画提案を募集。一方で周辺環境を整備するため、市に帰属する道路や下水道などのインフラの整備費に対し「建設負担金方式」による支援を行う「市産業用地整備支援事業」を実施。この制度により認定を受けたエム・ケーが、緑区内で開発面積計25・9haに及ぶ「ネクストコア千葉誉田」を造成。市は周辺インフラの支援に10億円を予算確保するなどしていた。
現地は主要地方道千葉大網線(大網街道)にも近く、千葉外房有料道路高田インターチェンジ(IC)や誉田IC、JR外房線誉田駅などにも至便の場所で、市は同大学に対し、譲渡の申し出などを進めていた。
さらに市では、同地について問い合わせなどが多いことから、企業集積を図るために「市新基本計画第3次実施計画」でも新たな産業用地の確保に向けた検討を位置付け、速やかに次期産業用地確保に伴う手法や候補地について検討するべく、基礎調査を進めている。