［2020/3/11　栃木版］
　県農地整備課は、2019年度2月補正予算における農業農村整備事業の実施地区と配分額をまとめ、県営4事業22地区と団体営2事業23地区に事業費が26億7300万円となった。TPP対策として圃場の区画整理等を実施する農地整備事業は、圃整工に着手する椎谷(市貝町)と中田原(大田原市)など14地区で事業費が16億7400万円。中山間地域の所得向上を目指した馬頭中部(那珂川町)は最終の圃整工として5000万円。防災・減災対策は、宇都宮市施行の新規で山口溜の団体営1地区を含む4地区に3億8500万円。水利施設整備では、水路工に着手する船生(塩谷町)など4地区で4億9800万円を配分、20年度当初予算と合わせ計画的な執行を行っていくとした。

　補正予算は、基盤整備や振興施設整備などによる中山間地域の所得向上支援事業を含むTPP対策、水利施設等の安全を担保した国土強靭化を目指す防災・減災対策事業に重点配分した。TPP対策では、圃場の大区画による生産基盤の向上や園芸作物などへの転作を含めた耕地の汎用性を推進する基盤整備等に予算を配分している。

　農地整備事業の事業費は、下田原北部(宇都宮市)が4000万円で面整備を完了し水路付帯工事などを実施するほか、塚崎・東野田(小山市)も面工事を完了、門型カルバートによる橋梁工事に9000万円となった。20年度新規の椎谷には1億2500万円、中田原も6000万円を配分し、面工事に着手する。重点配分したのは17年度新規の下稲葉(壬生町)に4億円、荒井町島(大田原市)が2億円を配分し、面整備の進ちょくを図る。

　農村地域防災減災事業は、県営が河川応急の3事業。押切用水堰は、半川に分け堰本体を改修。補正では1億8200万円を計上し、未着手側の下部工等の工事を実施。宇都宮市施行の山口溜は、飯田町地内の上溜と下溜2カ所のため池に監視カメラを設置するもの。事業費の300万円は全額国費で賄われる。

　団体営ではこのほか、農業農村整備計画調査費として22地区に6600万円を配分。宇都宮6地区、矢板4地区、那須烏山10地区、塩谷と那珂川が各1地区のため池の機能診断を行い、長寿命化計画を策定する。これまで簡易点検を実施しており、より詳細な調査を通じて修繕工事等の必要性を判断していくもの。防災減災対策として全額国費で調査する。22地区のうち防災重点ため池が17地区を占める。

　工事は20年度当初予算と合わせ、第2四半期を目途に発注していく見通し。

　地区別事業量と予算額は次の通り。([1]事業内容と事業費[2]工期、単位・万円、▼新規)

　《県営》
【農地整備事業】
▽下田原北部(宇都宮市)＝[1]水路工、4000[2]12～20年度
▽上石那田(宇都宮市)＝[1]圃整工、3000[2]15～21年度
▽刈沼川(宇都宮市)＝[1]圃整工、1億2000[2]18～23年度
▽山口(日光市)＝[1]圃整工、3500[2]16～21年度
▽笹原田(鹿沼市)＝[1]圃整工、1億2000[2]18～23年度
▽引田(鹿沼市)＝[1]圃整工、1億2000[2]18～23年度
▽小泉・本沼(益子町)＝[1]圃整工、1億3500[2]18～23年度
▽椎谷(市貝町)＝[1]圃整工、1億2500[2]19～24年度
▽塚崎・東野田(小山市)＝[1]橋梁工、9000[2]15～20年度
▽下稲葉(壬生町)＝[1]圃整工、4億[2]17～23年度
▽薬師寺・柴(下野市)＝[1]圃整工、9900[2]18～25年度
▽荒井町島(大田原市)＝[1]圃整工、2億[2]17～22年度
▽下深田(大田原市)＝[1]圃整工、1億[2]18～23年度
▽中田原(大田原市)＝[1]圃整工、6000[2]19～24年度
【水利施設整備事業】
▽鬼怒中央2(宇都宮市ほか)＝[1]ゲート塗装工事、3000[2]17～22年度
▽三栗谷II(足利市)＝[1]水路工、5000[2]17～22年度
▽真弓(栃木市)＝[1]ポンプゲート工事、2億4800[2]18～20年度
▽船生(塩谷町)＝[1]水路工、1億5000[2]19～25年度
【農村地域防災減災事業】
▽小倉堰(栃木市)＝[1]取水堰工、1億4000[2]16～20年度
▽押切用水堰(小山市)＝[1]取水堰工、1億8200[2]17～20年度
▽穴川用水大前堰(真岡市ほか)＝[1]取水堰工、6000[2]18～20年度
【中山間地域総合整備事業】
▽馬頭中部(那珂川町)＝[1]圃整工、5000[2]15～21年度

　《団体営》
【農業農村整備計画調査】
▼ため池22地区(宇都宮市ほか)＝[1]機能診断、6600[2]19～20年度
【農村地域防災減災事業】
▼山口溜(宇都宮市)＝[1]カメラ設置工事、300[2]19～20年度