存続に向け庁内検討 少年自然の家の民活導入可否も(八千代市)
[2020/3/11 千葉版]
八千代市は、保品地区にある学習・宿泊施設「少年自然の家」を来月から当面休館とする。耐震性能の不足や老朽化がその理由。一方で市は、施設の存続などに向けて前年度からサウンディング調査を進めるなど、民間活力を含めた今後の施設活用も模索しており、周辺の活性化や導入の可能性を含む調査結果は、年度内にも成果がまとまる見通し。次年度以降はその結果を踏まえて庁内で施設の処遇を検討、同年度中をめどに市としての方針を決めたい考えだ。
1974年に開所した少年自然の家は、2万6,475平方mの敷地内にあり、建物はRC造3階建て延べ3,490平方mの構造・規模。96年に一部改築されているが、老朽化とともに耐震性不足が指摘され、これらの解消には多額の事業費が見込まれている。
18年度に実施したサウンディング調査には民間4者が参加し、いずれの事業者からも指定管理者制度の導入が提案された一方、市で老朽化対策工事や耐震化工事を施した上で、管理運営については、経験豊かな民間事業者に委ねるのが参入しやすいとする意見のほか、従前の「かわまちづくり計画」との連携を望む意見もあったという。
市では並行して今年度、その「かわまちづくり」の後背地にある公共施設と一体となったエリアマネジメント調査を実施するため、国の補助を得た上でプロポーザルを実施。ポリテック・エイディディ(東京都中央区)に業務を委託している。
「印旛沼流域かわまちづくり計画」は、県とともに八千代市を含む4市2町で進めているもの。市では市の中心部を流れる新川をメーンとして活性化を図るため、船着き場やトイレなど休憩施設となる「一里塚」などの整備を検討してきた。
市では民間事業者が、リスクが高いなどとして「後ろ向き」だった少年自然の家の耐震または大規模改修は、存続となった場合は市として進める一方、以降の運営などには民間活力を導入し、さらに市内の沿川にある公共施設を連携させるなど、民活実現の可能性を探っている。
市ではさらに、少年自然の家と同じ沿川にある「道の駅やちよ」の連携を模索するため、少年自然の家の直近にある県道八千代宗像線の阿宗(あそう)橋と、そのバイパスとなる新阿宗橋の間に設ける計画となっている船着き場を利用できないか検討。道の駅の近隣にも船着き場を設置して、舟運による社会実験を含めて「どのようなことができるのか」を見極める。
その「かわまちづくり計画」では20年度、阿宗橋周辺で県が整備中の築堤天端上のサイクリングコース上に、トイレやベンチ、駐輪スタンドなどを設けた一里塚(ミニ拠点)を整備するための経費として、工事費など7,966万円を盛り込んだ予算案を市議会に提出している。