旧市立病院跡の売却プロポ 地域貢献を重視(松戸市)

[2020/3/10 千葉版]
 松戸市は9日、上本郷地先の旧国保市立病院の跡地を民間事業者に売却して活用を図るため、公募型プロポーザルの実施要領を公表した。4月20日から受付を始め、プレゼンテーションは8月2日、9月上旬に最終結果を通知する予定でいる。敷地面積は合計1万4853平方mで、最低売却価格は5億84,79万円とした。2019年8月に実施したサウンディング調査(市場意向)では13者から、総合病院をはじめ、クリニックモール、健康センター、介護福祉施設、共同住宅、スーパーマーケット、保育施設、商業施設、ショッピングセンター、分譲マンション、物販店、飲食店などの提案があった。地元町内会からは、民間の医療機関を誘致する要望が出されていることから、市はこれらの要望なども踏まえた上で、跡地利用に反映させたい意向だ。

 市によると、新たな施設には、病院事業の経営上の視点から、有益で連携強化が図れる医療機能が含まれていることや公共施設として、旧病院がもたらしていたさまざまな効果を鑑みて、医療機能を含む施設の全体計画が、地域価値を高め地域経済を活性化し、地域環境が向上するとして地域貢献などの視点も求めているという。

 JR北松戸駅の南東約0・8kmにある同病院施設は、1967年に完成した1号館をはじめ、閉院以降も多くの建物がそのまま残されている状態となっている。

 建物は、最も古くて規模の大きい1号館がRC造地下1階地上5階(塔屋2階)建て延べ1万1,479平方m、2号館がRC造地下2階地上6階(塔屋1階)建て延べ7,324平方m(1980年完成)、3号館がRC造地下2階地上4階(塔屋2階)建て延べ7,521平方m(89年完成)のほか、4号館や診療事務室、夜間小児急病センター、レントゲンフィルム保管庫などがある。

 耐震診断では、3号館、4号館、5号館については、耐震診断は実施していないが新耐震設計基準で、1号館は「所用の耐震性能を確保していない」とされており、使用には耐震補強が必要だ。

 一方、19年の土壌状況の調査では、基準値を超える特定有害物質が3カ所から検出されており、市環境部環境保全課と協議・調整し、必要な調査を実施して、汚染土を適正に除去処分するなどの対応を事業者に求めている。

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