下水道会計 8%増加 渋江、鮫川で排水路改修 浄化センターは設備更新(宮城県涌谷町 2020年度予算案)
[2020/3/6 宮城版]
宮城県涌谷町は3月5日に開会した町議会3月会議に、2020年度予算案を提出した。一般会計をはじめ、特別会計3事業と企業会計5事業を合わせた予算総額を153億6249万円とする。前年度比で3%の増加。このうち、下水道事業会計は計9億0260万円を計上した。渋江地区と鮫川地区で雨水排水路の改修工事を進めるほか、涌谷浄化センターの設備改修について、詳細設計の委託料や工事費を盛り込んだ。
涌谷町が編成した20年度下水道事業会計は、前年度比で8%増となる計9億0260万円を計上。内訳は、収益的支出が4億8439万円で同3.2%減、資本的支出が4億1821万円で同24.6%増。雨水排水路の改修事業費などを盛り込んだ資本的支出が、前年度より大幅に増加している。
雨水排水路の事業費は、渋江地区で実施している「江合川右岸第2排水区」分として工事費に2570万円、工事に伴う水道管の移設補償に200万円を計上。鮫川地区で実施する「江合川左岸第1排水区」分は工事費に1500万円を計上した。
町は渋江地区を縦断する町道上築新町線沿いの雨水排水路について、延長約760mを対象に土水路の護岸整備を実施している。20年度はJR石巻線と交差する上築街道踏切で、23mの改修に着手する考え。
鮫川地区では、断面が狭い排水路内のボックスカルバートを改修する。印刷会社の敷地に出入りするために設置されている既設のボックスカルバートは、二断面構造になっている。昨秋の東日本台風でも漂流物が引っ掛かり、水害の原因になった。流下を損ねる中間壁を取り払う考え。
現在、古川測量設計事務所(大崎市)が実施設計をまとめている。ボックスカルバートの延長は14mで、断面は高さ1.3m×幅1.5mのU字構造物が2列に並べてある。
老朽化によって水処理設備が更新時期を迎えた涌谷浄化センターについて、町は20年度から5年程度をかけて改修していく考え。本年度は日新技術コンサルタント(東北事務所・仙台市青葉区)に設計業務を委託している。
20年度は汚泥脱水機の更新に係る設計業務を委託する。施工監理業務と合わせ、委託料に400万円を計上した。設計が固まり次第、機械設備、電気設備の入れ替え工事を発注する。工事費は4100万円を計上した。省エネ化に関し、合わせて構内の外灯をLEDに変える。
20年度予算案は町議会最終日の3月13日に採決される予定。