PFI導入への提案も 二和東の公務員宿舎跡地(船橋市)
[2020/2/22 千葉版]
船橋市政策企画課による、二和東5丁目にある国家公務員宿舎跡地の活用に向けたサウンディング型市場調査の結果概要が21日、明らかになった。昨年11月に公募を開始し、今年1~2月にかけて実施したもので、調査には2事業者が参加。PPP/PFI導入の可能性や、リース方式による財政負担の平準化を図る提案があったという。市はこれを受けて2020年度も、庁内での検討や地元調整を継続するなどし、21年度にも基本計画の策定に着手したい考えだ。
市は17年度、地域の課題解決を目的に、二和東5丁目にある国家公務員宿舎跡地を取得。1万4,800平方m余の市有地について、二和出張所の移転を含む複合施設の整備を計画するに当たり、公的な負担の最小化を図ることを目的に民間からの聞き取り調査を実施した。
調査で事業者からは、設計・整備・運営の一括発注方式といった手法の導入が可能であるほか、公的負担の最小化に向け、複合施設を民間が整備してリースする方式の提案があったのに加え、既存建物の除却に関し、作業の円滑化・高密度化や労務・資材などの効率化で、除却費用を軽減する投げ掛けがあったという。
また、新たに整備する駐車場または駐輪場を有料化し、公的負担を軽減させるとしたほか、整備する施設との相乗効果が期待される付帯事業(収益事業)の提案・アイデアについては、複合施設内に公園と親和性の高い飲食・サービス施設を設置すべきとした一方、市有地の利便性向上のため、周辺の道路整備を検討すべきとの意見もあったなどとした。
市はこれらを受けて、基本的に庁内での検討を続けた上で、22年度には官民連携調査、23年度の実施方針策定と事業者の募集にこぎつけたい考えだ。
対象となる市有地は、新京成線二和向台駅南側にある関東財務局二和宿舎の跡地。二和出張所や二和公民館も入居する北図書館がその北側、三咲小学校が東側にそれぞれ隣接している。
市では既存の二和出張所が、サービス規模に対して十分なスペースがなく、二和地区にも児童ホームがない上、公園など憩いの場も不足していることから、これらが入る複合施設の整備に加え、約7800平方mの都市公園、公共施設用の駐車場・駐輪場のほか、駅前ロータリー約3,300平方mの新設を計画。このため、民間活力導入の可能性について検討することを目的に市場調査を実施した。
同市有地内には延べ1,300~1,900平方m規模の旧宿舎8棟があるほか、集会所や浄化槽などが残っている状態だ。