砂防堰堤4基を新設 丸森町内/内川水系の緊急事業(仙台河川国道)
[2020/2/21 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、昨年の台風19号(東日本台風)によって甚大な被害を受けた丸森町内で直轄砂防災害関連緊急事業を進めており、新たに砂防堰堤4基を設置する。現在は設計をまとめている段階で、新年度に用地調査等業務を委託して用地買収を行った後、工事に着手する。同事業の全体事業費は約22億円を試算している。
同事業は、阿武隈川水系内川流域で大規模な土砂災害が発生し、流域内に堆積した不安定土砂の再移動による2次災害を防ぐため、緊急的に砂防工事を実施する。工事内容は、砂防堰堤が4基、床固工が3基、強靭ワイヤーネット工が4基。事業期間は単年度だが、災害が発生して間もないため繰り越しで2020年度までとなる。
強靭ワイヤーネット工と床固工については、当初予算と予備費で約8億8000万円の事業費が充てられ、昨年のうちから緊急随契で県建設業協会の会員企業に工事を発注し、すでに着工している。施工者は、ワイヤーネット工が松浦組(柴田町)、床固工が熱海建設(仙台市青葉区)。
先月には新たに補正予算が成立し、約13億2000万円の事業費が配分されたことから、砂防堰堤の工事を進めることが可能になった。堰堤の設計業務は緊急随契で日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)とアジア航測(同)に委託している。この業務で堰堤の規模などを決定する。
用地調査等業務は、7日付で発注予定に2件をを追加している。1件は内川地区で、もう1件が五福谷川地区。2件とも土地調査と物件等調査算定を行う。新年度の第1四半期に簡易公募型競争入札で委託する。履行期間は約4カ月を見込む。
砂防堰堤の工事も新年度に発注する。仙台河川国道事務所宮城南部復興出張所の水越崇所長によると、実際には4基以上の砂防堰堤が必要と考えているものの、予算の関係などもあり、今回の事業で整備できるのは4基になるという。