第二中学校改築で設計 市庁舎跡地の法面工事が着工(習志野市新予算)
[2020/2/19 千葉版]
習志野市(宮本泰介市長)は18日の会見で、2020年度の予算案を明らかにした。20日開会の市議会定例会に提出される。一般会計は、前年度比0・1%減の総額634億円で前年度並み。3つの特別会計と3つの公営企業会計の支出分を合わせた市全体の予算規模は、1,161億7,879万円となり、同0・9%の増となる。新規に第二中学校の校舎改築で設計に着手するほか、旧庁舎の解体事業では、法面工事も新たに計画する。
一般会計に占める普通建設事業費は、対前年度比0・7%増の88億2,595万円。大久保地区の公共施設再生事業や、谷津小学校の校舎改築事業がそれぞれ一段落することで大幅な減があったものの、本格化する新消防庁舎建設事業の20年度分や、JR津田沼駅南口第二駐輪場取得事業の計上で増額となった。
市が重点事業として挙げた主なものをみると、第二中学校の校舎改築事業には、設計委託料として20~22年の3カ年総額2億3,972万円を設定、このうち20年度分として8,090万円の確保を図る。
市によると第二中は5つある校舎のうち、1959年完成の校舎2(RC造2階建て延べ992平方m)と、61年完成の校舎1(RC造2階建て延べ731平方m)が、耐用年限が19年度で切れるのと、あと3年を残すのみになっている。
教育関連では向山小学校でも、長寿命化改修に向けた設計に、2カ年総額3,765万円を設定し、このうち20年度分は1,863万円を投じる。75年に完成した向山小の校舎1(RC造4階建て延べ5,123平方m)は、耐震性は確保しているものの、老朽化が目立っているという。
新規事業では、秋津幼稚園の跡地を活用し、秋津児童会・放課後子ども教室を21年度に開設させるため、設計・工事に合わせて5,163万円を計上。また向山こども園(仮称)の整備事業に2カ年総額7,631万円の設計委託料を継続費として設定し、24年度の開設を目指す。
過年度分の継続費をみると、旧庁舎解体工事には、20年度分として5億0,572万円を計上。谷津小学校の校舎改築工事には13億3,363万円、大久保小学校の校舎改築基本計画・基本設計には6,792万円をそれぞれ投じる。このうち旧庁舎の解体では、旧土木詰所解体と法面工事には、新たに3カ年総額3億8,920万円の継続費を設定する。
注目の事業については、組合施行により鷺沼地区で計画する土地区画整理事業では、必要な現況および地区界測量、調査などのほか、勉強会を通じた地権者の意見合意形成を図るため、合わせて1億4,289万円を計上する一方、関連して農業振興地域整備計画の改定事業に1244万円を新たに計上した。
鷺沼地区の約43haを対象とする同区画整理では、将来の業務代行予定者となる「まちづくり検討パートナー」の募集を開始しており、5月下旬の事業者特定が予定されている。
これらのほか、まちづくり基本方針で掲げた、JR津田沼駅南口駅前広場の基本設計に3,870万円、ブレーメン実花こども園の改築事業など、民間認可保育所の施設整備事業に、前年度から増額して6億2,337万円を補助する。
「貸付」か「売却」 報告書案を協議(庁舎跡地検討委)
18日には同庁舎内で、第5回となる「市旧庁舎跡地活用検討委員会」(吉田恵美委員長)が開かれ、市長への答申に先立ち、検討報告書案がタタキ台として示された。市の「財源化」を前提に民間活力を導入、跡地を「貸付」または「売却」すべきとすることを盛り込んだ報告書とすることが大筋で承認され、今後文言や表現の修正を経て、3月下旬にも開かれる予定の次回、最終回となる会合で再度示されて成案、4月以降にも市長宛てに提出される見通しだ。
事務局(資産管理課)が説明した報告書案によると、旧庁舎跡地はアクセスも至便で都市計画道路も今後開通予定であるなどポテンシャルは高いとした上で、市が公共施設再生計画で、未利用地は原則売却や貸し付けなど「財源化」のため有効活用を図るべきとする指針が示されているとした。
活用方法としては、市民だけでなく市外からも多くの人が訪れ、多世代が交流する賑わいある場所として、産業の活性化につながる仕掛けがあり、「音楽のまち」として芸術・文化をはぐくむ場所となるのがふさわしく、「居住区だけ」「公園だけ」は望ましくなく、売却、または貸し付けるにしても、単なる一般競争でなく、プロポーザルやサウンディング調査などの実施が望まれるとしている。