全職種平均2万円突破 新労務単価が過去最高 本県平均は2.8%増(国交省)
[2020/2/18 宮城版]
国土交通省は14日、3月から適用する公共工事設計労務単価を公表した。有効標本が得られた50職種の平均単価は、全国が前年度比2.5%増の2万0124円。本県の平均は同2.8%増の2万2080円となった。全国、本県とも公表を開始した1997年度以降で過去最高となっている。
本県の所定労働時間内8時間当たりの職種別単価は%2別表%1の通り。2019年3月から適用されている単価と比較すると、全職種で上昇している。具体的には、普通作業員や造園工が400円の増、とび工が1100円の増、運転手(一般)が600円の増、鉄筋工が1400円の増、交通誘導員Aが200円の増など。
宮城、福島、岩手の被災3県で見ると、全職種平均は同2.9%増の2万1966円。こちらも過去最高だった97年の2万1357円を上回っている。
全国、被災3県とも、必要な法定福利費相当額を加算するなどした2013年の改定から単価が8年連続で上昇。特に被災3県は、震災による入札不調対策として単価の引き上げ措置を継続しており、12年比で見ると68.8%の大幅増となっている。
被災3県の過去5年間の伸び率は、16年が7.8%増、17年が3.3%増、18年が1.9%増、19年が3.6%増、20年が2.9%増。
単価の設定に当たっては、昨年10月に施工中の1件当たり1000万円以上の工事から、調査対象となる51職種の建設労働者を選び、賃金の支払い実態を把握。有効標本数は全国で1万0200人だった。本年度より労働基準法の改正による有給休暇の取得義務化を踏まえ、義務化分の有給休暇取得に要する費用を反映している。
建築ブロック工については、十分な有効標本数が得られず、単価設定に至らなかった。さらに本県では、石工、山林砂防工、軌道工、タイル工、屋根ふき工、建具工も有効なデータが集まらず単価を設置していない。
公共工事の設計労務単価は[1]基本給相当額[2]基準内手当[3]臨時の給与[4]実物給与──で構成。法定福利費や労務管理費、安全管理費などの事業主が負担すべき必要経費は含まれていない。
仮に労務単価が2万0214円(100%)の場合、事業主が労働者1人の雇用に必要な経費は2万8502円(141%)になることに留意する必要がある。
新労務単価は、3月以降に発注する補正予算計上の公共工事から前倒しで適用し、予定価格を積算する際に用いる。