被災地特例など継続要望 現場実態を捉え対策協議(宮建協と国の出先機関)
[2020/2/14 宮城版]
県建設業協会(宮建協、千葉嘉春会長)は12日、仙台市内で東北地方整備局の出先事務所長との意見交換会を開催した。宮建協は、大震災からの復旧・復興事業に加え、台風災害からの復旧工事が本格化し、厳しい施工環境が予測されるため、現場実態を捉えた円滑な施工確保対策を要望。具体的には2021年度以降も被災地特例措置などの継続が必要と訴えた。
意見交換会には、宮建協と県公共工事品質確保安全施工協議会から千葉会長ら18人、整備局から企画部の一戸欣也技術調整管理官や各出先事務所の所長ら12人が出席。オブザーバーとして東北建設業協会連合会の大槻良子専務理事ら2人が参加した。
あいさつで千葉会長は、昨年の台風19号災害に際し、「東北地方整備局とはしっかりとした連携の下でスピード感を持って地域の安全・安心の確保に対応できた」と評価。補正予算が成立し、台風関連の復旧工事が発注される予定のため「不調・不落を解消し、円滑な施工確保対策が講じられる中で、良好なパートナーシップの下に地域の守り手となる町医者の活動が展開できるよう有意義な意見交換となることを期待する」と述べた。
整備局側からは仙台河川国道事務所の奥田秀樹所長が、台風災害への対応で宮建協が迅速に復旧活動に当たり、「まさに地域の守り手としての底力を発揮していただいた」と感謝。「地域建設業の抱える課題はさまざまあると思うが、官民挙げてともに考え、乗り切っていきたい」と抱負を述べた。
意見交換では▽重要インフラ機能確保への予算確保と安定的・継続的な社会インフラの事業量確保▽東日本大震災と台風19号災害における復興完遂までの実態に即した施工確保対策の継続▽新・担い手3法に基づく直轄工事における円滑な施工確保対策▽将来の担い手確保に向けた働き方改革と生産性向上──などについて非公開で話し合った。
予算確保に関しては、復興優先で通常予算が減っており、2021年度以降の事業量が心配されるため、十分な予算措置を要望。整備局はしっかり確保できるように努める考えを伝えた。
施工確保対策の継続については、県や市町の復興事業が復興創生期間内に完了するのが難しく、21年度以降も継続が見込まれる上、台風災害の復興も並行して進めなければならないため、被災地特例の復興係数・復興歩掛など、現場実態を捉えて円滑な施工確保対策を継続するよう求めた。
新・担い手3法に基づく施工確保対策では、現場の声を聞くと、条件明示チェックリストを踏まえた適正工期と工程管理の取り組みが十分に浸透していないため、これを徹底するよう要望。整備局側はしっかり現場に浸透させたいと回答した。
働き方改革と生産性向上の話題では、週休2日工事とICT活用工事の証明書の有効期間を現行の1年から最低でも2年以上に設定するよう求めるとともに、現場代理人への評価も加えるよう要求。新年度の統一土曜日一斉現場閉所に関しては、宮建協が市町村の工事の休日取得状況を実態調査しているため、その結果も踏まえて一緒に設定していくことにした。