河道掘削と築堤へ設計 鳴瀬川水系/7件に分け入札公告(北上川下流)
[2020/2/13 宮城版]
国土交通省北上川下流河川事務所は、吉田川の河道掘削で発生する土砂を鳴瀬川中流の築堤に有効活用する。河道掘削は2分割、築堤は5分割して詳細設計業務を委託することとし、12日付で一般競争入札を公告した。いずれも21日まで参加申請書を受け付け、築堤の5件が3月16日、河道掘削の2件が同17日に開札する。
吉田川の河道掘削と鳴瀬川中流の築堤は、吉田川の「新たな水害に強いまちづくりプロジェクト」の一環で進める。このプロジェクトは、昨年の台風被害を受けて定めたもので、国と県が連携し、おおむね5年をかけて治水対策を進めることになっている。
総事業費は約267億円で、うち約241億円は河川大規模災害関連事業に投入し、国が2019~24年度の6カ年で事業を行う。残りの約26億円は河川等災害復旧事業に活用し、国が19~23年度の5カ年で事業を実施する。県管理河川については、現時点で確定していないため、今後に追加となる予定。
今回設計業務を委託する河道掘削と築堤は、河川大規模災害関連事業で行う。河道掘削の詳細設計業務は、吉田川中流と下流の2件に分け、一般競争入札を一括公告した。一括審査方式で落札者を決定する。複数の業務に参加を希望する場合は、業務ごとに申請書を提出する必要がある。
詳細設計の対象区間は、中流が河口から17.4~28.5km区間の延長11.1km、下流が同2.1km~17.3km区間の延長15.2km。掘削断面については、河川整備計画流量を満足する断面とし、掘削に向けての施工計画の策定や、仮設構造物の設計、土砂収支計画などをまとめる。併せて、河川測量を行う。履行期間は中流が12月4日まで、下流が同11日まで。
入札の参加資格は、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタントの資格認定を受けている単体企業、または土木関係建設コンサルタントか測量の資格認定を受けている設計JV。
築堤の詳細設計業務は[1]練牛[2]練牛・塩釜[3]塩釜[4]水越下流[5]水越上流──地区の5件に分け、一般競争入札を一括公告した。一括審査方式で落札者を決める。複数の業務に参加を希望する場合は、業務ごとに申請書を提出すること。
水越上流が大崎市内で、残り4件は美里町内の業務となる。地区別の対象延長は、練牛が2.4km、練牛・塩釜が2.2km、塩釜が2.4km、水越下流が1.9km、水越上流が2.5km。
いずれも左岸側の築堤詳細設計と、測量調査、地質調査をまとめる。練牛・塩釜と水越下流には道路の詳細設計も含まれる。履行期間は、塩釜と水越下流が12月11日まで、練牛・塩釜が同18日まで、練牛と水越上流が同25日まで、
入札の参加資格は、東北6県内に事業所を置く単体企業か設計JV。単体は東北地方整備局から土木関係建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど、設計JVは土木関係建設コンサルタントか地質調査業務、測量の認定を受けていることなどが要件となる。