西道路と東部道路を直結 仙台東道路の起終点設定(東北整備局 計画段階評価)
[2020/2/8 宮城版]
東北地方整備局は7日、仙台東道路の計画段階評価で、同線の起終点や必要な機能、政策目標などについて学識経験者らと協議した。起終点の設定に関しては、仙台東道路と仙台西道路を直結するということで了承を得た。この考えを基に、今後はより具体的なルート帯や構造案を検討していくことにした。
仙台東道路の話し合いは、当日に開かれた社会資本整備審議会道路分科会の第28回東北地方小委員会(委員長・浜岡秀勝秋田大学教授)において行われた。浜岡委員長ら4人の委員と、同局の酒井洋一道路部長や、仙台河川国道事務所の奥田秀樹所長らが出席した。
仙台東道路に関しては、昨年2~3月に地域住民や事業者などに対するアンケート調査を行っており、その調査結果が今回の会議で報告された。
アンケートの回答では、道路整備により優先して解決すべき課題として、住民・事業者ともに「交通混雑の解消」が最も多く挙げられた。次に住民からは「市街地内の交通の快適性や利便性の向上」、事業者からは「物流活動の効率化」を求める声が多く出されている。
具体的な箇所・区間に対する意見では、仙台駅を東西に連絡する道路不足、中央卸売市場やトラックターミナルなどの物流拠点と高速道路を結ぶ交通網整備の重要性、高速バス乗り場の点在や高速道路から仙台駅までの速達性低下などが挙げられた。
こうした意見を踏まえ、同局は政策目標として▽仙台市東部地域の交通容量不足の解消▽道路ユーザーのニーズに応じた道路の適切な機能分担▽物流交通に対する円滑な分散・導入による物流活性化▽仙台駅と高速道路網の交通結節機能の強化▽非常時における広域防災力の機能確保──の5つを設定した。
仙台東道路に必要な機能としては、交通混雑を緩和する道路ネットワークの構築や、交通結節点と高速道路網の接続強化などを提示。今後に概略ルートなどを検討する際の基本条件として[1]東西方向の交通需要に対応できるネットワークの確保[2]アクセスコントロールされたサービス水準の高い道路[3]交通結節点との接続強化──を設定した。
同局は、この政策目標や基本条件を踏まえ、起終点を設定し、委員から意見を求めた。委員からは「横軸の移動がまちの発展にブレーキをかけていると感じる。仙台東部道路から仙台西道路まで高規格な自動車専用道路で接続するのは重要」「仙台市の中心部の開発プロジェクトとどう整合性を付けるかが重要」「道路が景観を悪くしないようにしてほしい」などの意見があった。
最終的には事務局案を「妥当」と評価し、今後にルート帯の検討などを進めることにした。
仙台東道路は、仙台市の中心部と東部地区を結ぶ地域高規格道路に指定されている。計画段階評価や事業化に向けては、本年度に道路や平面交差点、ダイヤモンド型インターチェンジの予備設計をパシフィックコンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。