復興計画 完結へ! 9年連続で1兆円台 普通建設費6%増加 2020年度予算案(宮城県)
[2020/2/7 宮城版]
宮城県は2月5日、2020年度の当初予算案を公表した。一般会計の総額を1兆1335億6480万円とする方針。前年度より2.1%増加し、東日本大震災以降、9年連続で1兆円台の予算規模を維持する考え。復興・創生期間の最終年度を締めくくる事業を推進するとともに、昨秋の台風19号で被災した箇所の復旧に対応する。
記者会見して予算案の内容を明らかにした村井嘉浩知事は、20年度予算案を「復興計画完結予算」と命名した。
一般会計は前年度比2.1%増の1兆1335億6480万円。東日本大震災後に編成した12年度予算以降、9年連続で1兆円台を維持し、8年ぶりに前年度を上回る規模を編成した。このうち、震災対応分は2089億4525万円。復興事業が大きく前進したことで、過去最少額を計上した。
一般会計の投資的経費のうち、普通建設事業費は2234億4650万円を計上。前年度より6%増加する見込み。災害復旧事業費は689億9785万円を計上。台風19号の災害対応費が増加したものの、震災対応分が減少したことで同18.6%減となる見通し。
一般会計以外は、特別会計が4049億4477万円(同6.6%減)、準公営企業会計が39億1920万円(同3.1%減)、公営企業会計が469億8253万円(同1.6%減)を計上。予算総額を前年度と同等の1兆5894億1131万円(同0.4%減)とする方針だ。
建設関連の主な事業費を見ると、復興事業の総仕上げに向けて復興関連道路整備に306億1209万円、復興関連街路整備に93億2312万円を計上し、門脇流留線(石巻市)など市街地間を結ぶ幹線道路を整備する。河川などの災害復旧には231億円を計上した。
県立高校の建て替えでは、宮城第一高校(仙台市青葉区)や南部地区職業教育拠点校(大河原町)の事業費として130億5882万円を計上。築館警察署と若柳警察署を統合して新設する栗原警察署(仮称)の予算では、用地造成費などに1億4690万円を計上した。
3カ年の最終年度となる防災・減災、国土強靭化事業には90億9025万円、災害に強い川づくり緊急対策事業には277億5535万円を計上した。
これとは別に、台風19号で被災した河川や道路、農業用施設の災害復旧費として247億7191万円を計上。山腹崩落した林地・林道の復旧や2次災害を防ぐ治山事業に35億1622万円も計上した。
宮城県は12日に開会する県議会2月定例会に20年度予算案を提出する。