施設廃止を延期へ 東金自然の家を25年度まで(県教委)

[2020/2/5 千葉版]
 県教育委員会は、4日に県生涯学習審議会と県社会教育委員会を開き、県内5カ所にある「県立青少年教育施設」の再編と、県立博物館・美術館の今後のあり方について、それぞれ答申案を審議した。このうち青少年施設については、廃止に向けて協議していた東金市の「東金青年の家」について、2020年度までの指定管理期間後も、5カ年をめどに再度指定管理者を募集する方針を示すなどした。利用者らに周知を図る期間を設けることなどを理由としている。

 同教委では指定管理者の委託期間が終了する21年度から、既存の県立青少年教育施設のうち、老朽化の著しい東金青年の家を廃止し、4カ所に集約する方針を示していた。

 当日の委員会では一方で、利用者数がここ数年で横ばいである一方、スポーツ合宿など地元市民を中心に一定の利用者がいる上に、利用者増に向けた指定管理者のイベント開催なども他の施設に比べて抜きん出て多いことなどを評価。20年度末での即廃止ではなく、周知期間が必要だとし、21年度以降の指定管理者を募集するなど、一定の期間存続させる案に改めた。

 同教委によると、市民の利用者が多いという東金市では、県による施設の存続を希望しているという。

 同審議会ではこれまでに、自然にまつわる4テーマに沿った体験活動のできる施設化に向け検討しており、再編構想案では、「森」「海」「川」「沼」といった本県を代表する、魅力的な自然を生かした体験の場を提供し、市町村とのネットワーク化による機能強化を図るとともに、より充実し、かつバランスの取れた教育環境にするとした。

 具体的に、君津市の「君津亀山青少年自然の家」については「森」をテーマとし、雄大な自然を活用した自然体験活動の充実を目指す一方、月出野外活動施設は廃止とする。

 また、鴨川市の「鴨川青少年自然の家」は「海」をテーマに、カヌーやシーカヤック研修を中心とした、海洋プログラムの充実を図る。

 香取市の「水郷小見川青少年自然の家」はテーマを「川」とし、水郷地域におけるリバーカヤック体験や、施設内での初心者向けカヌー体験が可能な施設にするとともに、テーマに「沼」を置く柏市の「手賀の丘青少年自然の家」では、手賀沼や手賀の丘公園を活用した自然体験活動プログラムを充実させるなどとし、さらなる充実に向けて今後も検討を継続する。

 東金青年の家は1972年の完成。メーン棟はRC造5階建てで、規模は5,206平方m。内部には宿泊室や研修室、体育館、グラウンド、キャンプ施設などがある。定員は200人で、5施設のうち最も少なく、存廃が協議されていた。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.