本復旧の権限代行要請 丸森町内3河川/再度災害防止へ改良(県)

[2020/1/31 宮城版]
 県は30日、台風19号で被害を受けた阿武隈川水系内川など3河川(丸森町内)の本復旧について、国に権限代行を要請した。村井嘉浩知事に代わって門脇雅之土木部長が国土交通省東北地方整備局を訪れ、佐藤克英局長に代行の要請書を手交した。同局は本省から了解が取れ次第、速やかに復旧工事に着手する。
 直轄権限代行で本復旧を目指すのは、県が管理する内川、新川、五福谷川の3河川で延長計約8.5km。台風19号に伴う豪雨では、3河川を合せて堤防18カ所が決壊するなどの被害を受けた。応急復旧工事は県からの要請を受けて同局が直轄権限代行で行い、完了させた経緯がある。
 本復旧に向けては、県が「台風19号により被災した河川管理施設等の技術検討会」(座長・田中仁東北大学教授)を開き、復旧方法を検討している。これまでに3回の会合を開いた結果、復旧の前提条件として、上流側に砂防施設を設けて土砂や流木を捕捉することと、現計画よりも計画流量の整備水準を上げることを設定している。
 その上で、復旧方法として決壊した18カ所を築堤し直すとともに、決壊箇所の前後を含む3河川を合わせた延長約8.5km区間で天端舗装工や天端保護工、法尻保護工、河道掘削などを進めることにしている。
 本復旧の代行要請は、大規模災害からの復興に関する法律に基づいて行われた。門脇土木部長は、3河川の復旧が高度な技術力を要し、大規模事業になることから「県だけでの施工は難しい。国の経験をぜひ生かしてほしい」と要請の理由を説明した。県は改良期間に5年程度を見込んでいる。
 佐藤局長は「県が再度災害防止の観点で改良復旧計画をしっかり検討された。整備局としてはその検討に当たり技術的な助言などを行った」と語り、「(改良復旧の)財源となる補正予算なども含め確認が取れ次第、代行に着手して改良復旧を実施したい」と述べた。

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