道路ネットワークに657億円 夷隅合庁・富津署で設計 投資的経費引き続き増(県20年度当初予算)
[2020/1/31 千葉版]
県(森田健作知事)は30日、2020年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計は歳入歳出ともに、総額1兆8,194億8,500万円で、前年度比3・3%の増。20年度が最終年次となる県総合計画「次世代への飛躍 輝け!ちば元気プラン」関連では、建設関連を含めて4,866億円を計上しており、社会基盤づくりのうち道路ネットワーク事業には、前年度比で約40億円増の657億円を計上した。このほか台風復旧関連、オリンピック・パラリンピック関連の予算計上が目立つ。
台風・オリパラ関連も計上
普通建設事業費に、災害対策費などを含めた投資的経費は、1,738億6,500万円で、防災・減災対策などを盛り込むなどしたことで、前年度比2・3%、39億円余の増と、引き続き増額となった。
道路ネットワーク整備の内訳をみると、補助284億円、単独358億円で、いずれも前年度から増額。主な事業についてみると、北千葉道路関連(印西市~成田市間)で33億円余を投じるほか、圏央道インターチェンジ(IC)へのアクセス強化事業として約43億円。このうち山武東総広域道路二期(銚子連絡道路)には約18億円を計上する。
このほか、概成した鎌ケ谷市の新京成線連続立体交差事業は減額となった一方、野田市での東武野田線の連続立体事業は約59億円と、20億円余の大幅増とし、事業を進ちょくさせる。
これらのほか通年のものでは、舗装道路修繕事業には前年度比3億円増の78億円、橋りょうの安全・安心(架換・耐震化・長寿命化)には同5億円余増の約43億円、道路環境保全事業には同1億円増の約21億円をそれぞれ投じるなど、前年度以上の予算計上になっているものが多い。
「くらしの安全・安心の確立」としたもののうち、河川・海岸・砂防事業には、補正予算と合わせて約272億7,000万円を盛り込んだ。新規に災害関連地域防災がけ崩れ対策事業に4億5,500万円を計上。昨秋の台風などで被害の大きかった一宮川流域での浸水対策特別緊急事業には、当初予算で17億2,800万円、補正予算で1億円(既決額と合わせて9億円)の確保を図る。
交通安全施設整備事業にもまた、当初分・補正分合計で計96億2,000万円を計上。歩道整備や交差点改良、信号機など交通管制機器、横断歩道の補修などに充てる。
建築物など、いわゆる「ハコモノ」についてみると、新規に夷隅合同庁舎の再整備に着手するため、20年は基本設計と地質調査などに着手する。近隣の敷地への移転を前提に、合わせて3200万円を新規に計上。合同庁舎ではこれ以外に、山武合同庁舎の建て替えに向け、実施設計のほか現庁舎の解体、仮庁舎の賃貸借に2億円と、債務負担行為で4億1,000万円のそれぞれ確保を図る。基本設計は石本建築事務所(東京都千代田区)が進めている。
県警では茂原警察署と印西警察署、千葉市の都町庁舎の耐震改修整備事業に計12億円余を計上した。また、館山警察署は着工に向け27億円の債務負担行為を設定するとともに、同じく建て替え予定の旭警察署は実施設計に移行。富津警察署では新規に、建て替えに向けた基本設計を委託するため、5315万円を計上する。
県立学校の長寿命化対策事業には、前年度から9億円近く増額の約47億円を見込む。工事は5校24棟で計画するほか、町さ・基本設計は6校32棟、実施設計を11校59棟で委託するため、約12億8,800万円を計上したほか、県立学校の外壁などの改修には約34億円の確保を目指す考えだ。
現地での建て替えが検討されている千葉リハビリテーションセンターは、2億8,700万円の債務負担行為を設定し、基本設計などに着手。同様に県社会福祉センターは、22年度の完成に向け着工する考えで、債務負担行為で31億8,800万円を設定、着工を目指す考えだ。
医療・福祉関連では、病院事業特別会計中に、幕張地区で救急医療センターと精神科医療センターを統合する県総合救急医療センター(仮称)の整備について、実施設計を進めながら20年度は、用地取得費などをメーンに、約35億5,000万円を計上しているほか、がんセンター新棟の完成を見込み、医療機器などの整備費を中心に、計55億5,000万円の経費を見込むなどしている。県議会2月定例会は2月13日に開会し、3月14日まで開かれる予定だ。