佐野線西と南部幹線東 佐野市が50号沿線開発構想 道路ネットワーク強化へ 土地利用現況調査に着手

[2020/1/30 栃木版]

 佐野市は、国道50号沿線開発構想で、東武佐野線西側の羽田工業団地など工業系用途が集積するエリアと計画道路の南部幹線東側の佐野プレミアム・アウトレットなどの商業・観光施設が集積するエリアの2地区について開発想定エリアを設定。市道1級1号線から南進する南部幹線と、50号に南で並行する南部道路構想によるネットワークの強化を視野に、立地特性を生かした機能分担による土地利用を進めていくとした。

 市政策調整課によると、東武佐野線西側のエリアについては土地利用の現況調査に着手。東側は1級1号線の延伸区間に当たり、将来は渡良瀬川・利根川に架橋し、群馬・埼玉両県への広域的なネットワークを構成。実現に向け県など関係機関へ要望を続けている。

 東西の開発想定エリアを結ぶ南部道路は、県道佐野環状線の南側に当たる新設道路で、市は計画の実現に向け県などと今後、調整を進めていく予定としている。

 50号沿線のうち東部エリアは、1993年から佐野新都心地区の整備事業が開始され、産業団地としては01年に佐野みかも台産業団地、04年佐野インター産業団地、16年には同第2期の分譲を始め、いずれも完売している。商業施設では、03年3月に佐野プレミアム・アウトレット、同4月にイオンモール佐野新都市、05年8月にはフェドラP&D佐野が開業。集客施設の集積とともに、東北道佐野藤岡ICに近接する交通利便性から、07年1月に佐野新都市バスターミナルが開業し、東京・名古屋・大阪・仙台方面行きの高速バスが乗り入れている。

 中央エリアは、03年に農産物直売所やイチゴ狩りができる佐野観光農園アグリタウンが開業。西部エリアでは、1994年に羽田工業団地が分譲し、現在は完売している。

 50号沿線は広域交流による周辺地域の活性化や広域交通ネットワークなどの社会資本の充実により、立地特性を生かした産業基盤の整備と集積が図られ、同時に、農業を主体とした土地利用が広がり、経営の多角化による農業と調和した新たな事業展開が可能とした。

 開発想定エリア別機能分担の方向性は次の通り。
▽東武佐野線西=羽田工業団地に加え、物流・運輸系の倉庫が多く立地。50号と県道佐野行田線の結節点に位置し、田島駅も近く、東西南北への交通の利便性が高い。エリア内には農用地区域の指定がない区域も存在し、産業系用途の新たな開発が調和しやすく、新規産業団地の開発に適しており、発展性が望める。
▽南部幹線東=佐野プレミアム・アウトレット等の集客力の高い商業施設が隣接し、観光農園アグリタウン等の農業体験施設が立地。多くの観光客が来訪しており、50号・県道佐野古河線・市道1級1号線・東北道へのアクセスが良好で、東西南北への交通利便性が高い。エリアの多くは農用地区域の指定が無く、新たな土地利用や様々な土地利用への転換が図りやすい。農業の6次産業化の促進や観光機能の活性化が期待できるほか、隣接する商業施設の集客力を生かした事業展開に加え、公共的な土地利用を含め、様々な開発が期待できる。

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