発注の平準化に力点 働き方改革など意見交換(東北建協連らと東北整備局)

[2020/1/29 宮城版]
 東北建設業協会連合会(東北建協連、千葉嘉春会長)と東北公共工事品質確保安全施工協議会(東北品確・安全協、村岡淑郎会長)は27日、仙台市内で東北地方整備局との意見交換会を開催した。働き方改革の推進に向け、同局が発注者全体で施工時期の平準化に関する目標を設定し、さらなる平準化の推進に努める考えを表明。東北建協連らは、各県や各市町村も含めた平準化の取り組みを強力に推し進めるよう求めた。
 意見交換会には、東北建協連と東北品確・安全協から千葉会長ら29人、同局から佐藤克英局長ら15人が出席。千葉会長は「復興予算と防災・減災、国土強靭化3カ年緊急対策の予算は事実上、2020年で終了となる。東北地方整備局の当初予算の現在の2倍程度の水準に戻す活動が重要」と訴えた。
 佐藤局長は「昨年6月に国会で成立した新・担い手3法などを踏まえ、建設産業の働き方改革、生産性向上、災害対応などをテーマに忌憚のない意見をいただきながら、官民連携で取り組んでいる東北復興人づくり・働き方改革プロジェクトの推進につなげたい」と意気込んだ。
 意見交換は非公開で行われ、終了後に同局の職員が主な話し合いの内容を明かした。テーマの一つである働き方改革に向けては、新たに国、県、政令市、人口10万人以上の16市で平準化率の目標値を設定し、平準化の推進を図ることを確認した。
 平準化率は「4~6月期の平均稼働件数」を「年度の平均稼働件数」で割って求める。数字が1に近いほど平準化が図られているとされる。2018年度の平準化率は、東北全体で見ると国が0.85、都道府県が0.75、政令市が0.67、市町村が0.55の状況。
 本県の仙台市を除く34市町村で見ると、0.9以上は3市町村、0.8~0.9が7市町村、0.7~0.8が8市町村、0.6~0.7が5市町村、0.6未満が11市町村となっている。
 新たに設定した目標値は、国、県、政令市が0.8以上、10万人以上の都市が0.7以上、それ以外の市町村が0.6を上限値に0・1アップを目指すことにした。
 平準化に向けた取り組みでは、目標値と実数地を公表して見える化することや、好事例を地方自治体の首長らに紹介すること、問題・課題の把握と改善に努めることなどを方針に掲げた。 
 生産性の向上に関するテーマでは、3次元設計(BIM/CIM)の活用推進に向け、モデル事務所に指定されている鳴瀬川総合開発工事事務所で3次元設計の成果説明会を開催し、地方自治体や地元企業へBIM/CIMの普及を図ることにした。
 本年度に創設された東北地域版のi-Construction表彰は、受賞者の選定作業を進めている段階で、3月に表彰式を開催する見通しが示された。
 意見交換ではこのほか、業界団体から降雪が少なくて除雪業務が減少しているため、他の工事を振り分けて業務量を確保してほしいという要望や、通常予算をきちんと措置しなければ経営の安定化や災害対応もままならなくなるという意見などが出された。

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