東松島大曲に工場新築 25日地鎮祭/宮城総建が施工(明康)
[2020/1/23 宮城版]
バイオマスプラスチック製品を製造・販売する明康(塩釜市、近江明男代表取締役社長)は、東松島市大曲地区に事務所棟や工場棟を建設する。設計は土井建築設計事務所(塩釜市)、施工は宮城総建(同)が担当。25日に地鎮祭を執り行い、2月末から新築工事をスタートさせる予定だ。
東松島工場の立地場所は、大曲浜地区の土地区画整理事業地内。東松島市が大震災の後に土地を造成し、産業用地を創出したエリア。明康の敷地は面積が7424平方mで、市から一部を購入し、一部を借り受ける。
計画では、第1期工事で平屋の事務所棟と、プレハブ造平屋200平方m程度の加工場を2~3棟建てる。その稼働状況を踏まえた上で、年内には第2期工事でS造平屋1000平方m程度の本体工場を造ることになっている。
完成後は、塩釜から東松島に明康の本社機能などを全て移す考え。加工場では、バイオマスプラスチック原料を用いて割り箸やエコ箸などを製造する。そのほか、顧客から依頼があればトレーやお椀、文具などといった製品の製造にも対応したい考え。
明康は、関連会社である近江(近江明男代表取締役社長)と連携し、震災復興と環境問題の解決に向け、2015年12月に設立した株式会社。近江は、ホタテ貝殻とポリプロピレンを混錬したバイオマスプラスチック原料を独自開発した。
この原料による汎用プラスチック製品は、ポリプロピレンの使用量を半減させることができるほか、耐熱性・耐寒性を持つなどの特徴を有する。この独自技術は、廃棄されるホタテ貝殻の有効活用につながり、環境改善に役立っている。
東松島市は、政府からSDGs未来都市に選ばれている。SDGsは持続可能な開発目標の略称。SDGs未来都市は、特に経済・社会・環境の側面で新しい価値を創出し、持続可能な開発を実現する潜在力が高い都市・地域が選ばれる。明康の立地もSDGsへの積極的な取り組みに共感・呼応したものとなっている。
東松島市によると、大曲浜地区の産業用地には、交渉中を含め27者が進出予定になっており、その中で工場や事務所などの着工にまで至るのは明康が19番目。残る空き区画は9区画で、進出企業を随時募集している