小学校11校で給食室にも空調設備 予算確保し次年度(千葉市)
[2020/1/23 千葉版]
千葉市教育委員会は2020年度、市立小学校の給食室(調理場)の一部に、空調設備を導入したい考えだ。給食施設の適正な衛生管理や作業環境の改善を目的に、自校方式でかつドライ方式を採用している各校の調理場のうち、空調設備が未設置のままの学校を対象としており、先行して20年度は11校分の予算を確保したい考え。当初予算案への計上に向け、要望に合わせて市では、導入に当たっての手法を検討、決定させる一方、21年度以降の進展については現時点で未定だとしている。
同教委によると、自校方式を採用している小学校113校(特別支援学校含む)のうち、すでに給食室に空調設備が導入されているのは約20校だという。
このうち、老朽化などに伴い大規模な改修工事が行われる計画のある学校を除き、それぞれの規模のほか、ウェット式と比べて調理室をはじめとする諸室が、その衛生面から細かく区分されているため、調理の際の熱がこもりやすく、作業員の労働環境が悪化しやすいというドライ式の調理場を持つ学校を対象として11校を想定。先行して空調設備を設置することを計画したとしている。
市が明らかにした20年度当初予算編成に当たっての予算要求で同教委は、同事業に当たって2,600万円の事業費を要望している。
市ではこれまで、主に特別教室などに設置していた空調機器を普通教室などにも設置するため、小学校50校と中学校12校は直接施工で、小学校56校についてはリース方式でそれぞれ導入を図っており、このうちリース方式については、IBJL東芝リース(東京都港区)や日立キャピタル(東京都港区)らと契約。今春から33年3月の13カ年を、賃貸借期間としている。
この整備に当たって市は、冷暖房設備の適正な性能を維持しながら、省エネルギーや省コスト、省メンテナンスが図れるよう設計、施工し、維持管理では省エネルギー性などの検証を要望。近年の夏の「災害レベル」とされた猛暑を受け、保護者らから多くの設置要望が寄せられていたが、設備などが老朽化している施設が多いことから、同教委ではこれまで、校舎の外壁改修やトイレの洋式化などを優先。一段落したことを受け、続けて調理場の作業員の環境改善に向けた空調設備の新設も計画していた。