本庁舎は1・79万㎡ 新庁舎基本設計で素案(八千代市)

[2020/1/21 千葉版]
 八千代市庁舎総合整備課が17日に開いた、第3回となる市新庁舎等建設基本設計検討委員会(委員長・柳澤要千葉大学工学院工学研究院教授)で示された基本設計の素案が明らかになった。設計方針には「新たなまちづくりとコミュニティの拠点となり、市民を末永く見守り続ける『八千代』の庁舎」を据え、八の字に開かれた庁舎や交流プロムナード・市民ホールの設置などのほかふらっと立ち寄れる「公園のような庁舎」や「ユニバーサルオフィス」を目指すとしている。

 素案では新市庁舎は本庁舎を運用しながらの建設となるため、敷地北側に建設するとともに、本庁舎(旧館、新館)は新耐震基準を満たしていないため、移転後には解体して駐車場として整備するともに、新耐震基準を満たしている本庁舎別館や第二別館は引き続き利活用を図り、付属棟として倉庫棟や公用車車庫を建設するなどとした。全体の概算事業費には117億円(税込み)を見込んでいる。

 市では新庁舎の整備に伴うデザインビルドについて、実施設計のうち意匠設計と総合調整業務を、基本設計を担当する梓設計(東京都品川区)に委託する一方、設備と構造の実施設計と施工については、建設事業者に発注するスプリット・デザインビルド(SDB)を採用予定でいる。

 新庁舎は、既存庁舎の建つ敷地とともに、新規取得の北側の用地を含めた、2万5,018平方mの敷地内で、既存庁舎の北西側に整備する。新たな本庁舎はS造地上5階建ての構造、規模は延べ約1万7,925平方mを見込んだ上で、構造面では基礎免震構造を採用。基本設計では、八(はち)の字型の新庁舎が提案されているほか、倉庫棟はS造平屋延べ638平方m、公用車車庫はRC造平屋延べ169平方mとし、ともに耐震構造とする。

 また、完成後の既存庁舎の解体工事を除き、着工から21カ月以内での完成が可能な工程となることを、設計の条件としていた。

 現在の敷地内には、本庁舎の旧館(1969年完成、RC造地下1階地上5階建て延べ4,650平方m)と新館(76年完成、SRC造地下1階地上6階建て延べ5,694平方m)、別館(86年完成、RC造4階建て延べ1,693平方m)、第2別館(91年完成、RC造2階建て延べ779平方m)、市福祉センター(83年完成、RC造6階建て延べ2,477平方m)などの建物がある。

 素案では、新庁舎はまちづくりの重要な軸となる新川大橋通りと、本庁舎や駐車場との連携に配慮した2方向の軸に沿った施設配置とするとともに、双方向からのアクセスに配慮し、施設中央に車寄せと主出入口を配置。八千代中央駅からの歩行者アクセスに配慮し、新川大橋通り側にも出入口を設置して利便性の向上を図りながら、新庁舎とは別棟として敷地南側に倉庫棟と敷地中央付近に公用車車庫を設置する。

 本庁舎別館は残置し、他公共施設への転用を今後検討。第二別館は増改築することで上下水道局庁舎として活用するなどとした。

 設備面では自然エネルギーを活用し環境に配慮した設備計画とし「安全性・信頼性の確保」、「機能性・快適性の確保」、「省エネルギー・省資源の追求」、「環境対策」、「経済性」、「メンテナンス性」を目指すとした基本方針を定めて計画する。

 同庁舎の整備についてはこれまでに、庁舎整備手法等検討調査業務をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が担当。この後、基本計画の取りまとめを梓設計が支援したほか、オフィス環境整備現況調査をイトーキ(千葉支店・千葉市中央区)が手掛けるなどした。

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