丸森で発注者支援2件 災害対応/資料作成など委託へ(仙台河川国道)
[2020/1/18 宮城版]
東北地方整備局は、14日付で発注予定に2件の業務を追加した。丸森地区の技術資料作成業務と工事監督支援業務で、仙台河川国道事務所が3月までに一般競争入札で委託する。2件とも昨年に台風被害を受けた丸森地区で直轄砂防災害関連緊急事業などを進めるに当たり、発注者支援を行う。
同局は昨年、仙台河川国道事務所に宮城南部復興出張所(角田市)を立ち上げ、丸森町内で県から要請を受けた阿武隈川水系内川など堤防18カ所の応急復旧工事と、国道349号の応急復旧工事を直轄権限代行として進めた。現在は直轄砂防災害関連緊急事業で強靭ネットワイヤーの設置や床固め工を進めている。
国道349号は、阿武隈川沿いに位置しており、同川からあふれた水で護岸や路肩が崩壊したほか、斜面からの土砂の流出で道路が埋まるといった被害が発生。直轄権限代行で同町舘矢間山田~福島県境間の延長14km区間を対象に、29カ所を応急復旧した。今後、直轄権限代行で本格復旧まで進めることになっている。
直轄砂防災害関連緊急事業では、内川流域で土砂洪水氾濫が起きたため、先行して2区間に強靭ネットワイヤーを設置。その後、約7億円の事業費が配分されたことから、別の1区間で強靭ネットワイヤーの設置と床固め工を施工している。
今後は強靭ネットワイヤーと床固め工をさらに追加で実施するほか、数カ所に砂防堰堤を設ける予定になっている。予算が配分され次第、これらの工事が動き出す。
丸森町内の河川に関しては、内川、五福谷川、新川の3河川で計18カ所が破堤したため、直轄権限代行で破堤箇所に土を盛り、連節ブロックを張るなどして応急復旧した。
河川管理者の県は、これら3河川の本格的な復旧工法として、破堤箇所とその前後を含む区間で、法肩保護工や天端舗装工、法尻保護工、法面被覆工、河道掘削などを進めることにしている。改良復旧区間は3河川を合せると延長9259mに及ぶ。
仮に県が国に直轄権限代行での本格復旧を要請すれば、宮城南部復興出張所が中心になって工事を進めることが予想される。
こうしたことも踏まえ、今回の技術資料作成業務と工事監督支援業務を委託し、同出張所の業務をバックアップしてもらう。業務の履行期間は2件とも約12カ月を設定している。