7地区に治山ダム 災害対応/白石と丸森で整備(県大河原振興)

[2020/1/16 宮城版]
 県大河原地方振興事務所は災害関連緊急治山事業で、台風19号に伴う豪雨によって被害を受けた白石市1地区と丸森町6地区の計7地区に、治山ダムを整備する計画だ。治山ダムの測量設計業務は地区ごとに分け、白石市の1件を16日に指名競争入札、丸森町の6件を同日に随意契約で委託する。工事は同業務が完了次第、できるだけ早期の着手を目指す。
 渓間工として治山ダムを計画しているのは、白石市小下倉字山口の「山口沢」、丸森町館矢間山田字南の「南」、同町字滝ノ上の「滝ノ上」、同町字天炉の「天炉沢」(あまほどさわ)、同町大張川張字一之畑の「一之畑」、同町字砂ノ入の「砂ノ入沢」、同町字小倉の「小倉沢」。
 いずれの業務も渓間工の測量と、治山ダムの実施設計をまとめる。天炉沢、一之畑、砂ノ入沢の3カ所は、治山ダムが2基となる。履行期間は7件とも3月31日まで。
 測量の対象延長や実施設計の対象容量は▽山口沢が400mで160立方m▽南が390mで291立方m▽滝ノ上が230mで370立方m▽天炉沢が650mで295立方mと745立方m▽一之畑が520mで410立方mと260立方m▽砂ノ入沢が460mで319.7立方mと234.3立方m▽小倉沢が460mで690立方m──となっている。
 白石市によると、山口沢は台風の影響で土砂が流出し、集落の宅地にも土砂が入り込んだ。道路や水路に流れ込んだ土砂は応急復旧でほぼ撤去した。丸森町によると、南などの6カ所は台風の影響で山が崩れ、沢が削られて渓流に土砂が流れ込んだ。
 災害関連緊急治山事業は、人家10戸以上や鉄道・国道・県道などに被害を与えられると認められるものが採択基準。採択限度額は1カ所の復旧事業費が原則として600万円以上のもの。補助率は3分の2。
 林野庁森林整備部治山課山地災害対策室によると、本県からは今回の7地区を含む20件程度の計画申請が出されており、事業採択した。合計の事業費は国費だけで10億円を超えるという。採択通知を受けた段階で県は工事着手できるものの、年度末までは残り3カ月程度しかないため、繰り越しで20年度までの事業期間となる見通し。

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