新規候補に3路線 現行路線は廃止なし 都市計画道路の見直し案(名取市)

[2020/1/8 宮城版]
 名取市は、都市計画道路の見直し方針案についてパブリックコメントの手続きを開始した。案では長期未着手など課題の9路線を含む現行の都市計画道路は路線・区間ともに廃止しない方針とした。加えて交通量の集中や、土地区画整理事業など将来的な土地利用計画を踏まえ、新規に3路線を都市計画決定の候補と位置付けている。
 同市の都市計画道路の見直しは、2017年度から着手。大震災からの復旧・復興事業や住宅地開発による人口増加など都市構造の変化を踏まえ、
妥当性の検証などを行っている。
 同市の都市計画道路は、
市政施行以前の1950年に河岸前線が閖上地域で決定されて以降、いくつもの都市計画決定・事業完了を経て現在の道路網を形成。これまで都市計画決定を受けている道路は31路線。計画延長78.85kmに対し、整備延長が67.7km、未着手は延長6.26kmとなり、整備率が87.43%に上る。
 方針案では、都市計画道路の見直し検討として、中田線や増田大通線など9路線を対象に抽出。各路線は当初決定から20年以上経過した長期未着手路線や未整備路線となり、交通機能やまちづくり方針との連動などを改めて評価した。その結果、重要施設とのアクセス、交通利便性の向上、広域的な交通需要・地域交通への対応などから継続候補とした。このことから、現行の都市計画道路について路線や区間の廃止は行わない考え。
 このほか案では、20018年に策定した都市計画マスタープランなどを踏まえ、将来幹線道路網について基本的な考え方を整理。基本方針に「国道4号に集中する交通需要の分散」「広域交通体系へのアクセス性を高める道路体系の構築」など4項目を設定した。
 これらを元に新規検討路線(都市計画決定する路線の候補)として3路線を位置付けた。将来的な市街地の開発計画、交通量予測の検証などから新たな都市交通軸となるもので[1]南北方向の交通需要に対応し、増田西の市街地開発整備の誘導に資する路線[2]主軸道路相互を連絡する拠点結節機能([1]に関連)[3]国道4号~名取中央スマートインターチェンジを連絡する──3路線を盛り込んでいる。
 パブコメを27日まで募集し、2月の説明会などを経て年度内の方針策定を目指す。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.