ゴトウ建設工業グループ選定 野蒜ケ丘/市有地売却プロポ 住居・事務所棟など計画(東松島市)

[2019/12/26 宮城版]
 東松島市は、野蒜ケ丘地区の区画売却に関するプロポーザルで、ゴトウ建設工業(東松島市)が代表を務めるグループを優先交渉権者に選定した。同グループは賃貸住宅や貸事務所、店舗など複数の施設整備を計画している。市は対象区画の売却に向け、来月にも仮契約を結び、早ければ来年の市議会2月定例会で承認を得て正式契約を結ぶ。
 同グループは、ゴトウ建設工業と、櫻井建設(東松島市)、村上工務店(同)、鈴木弘人設計事務所(仙台市青葉区)の4社で構成。プロポに応募したのは同グループのみだった。
 市によると、野蒜ケ丘地区の空き区画を利用し、1DK、2LDK、3LDKの賃貸住宅や、店舗とシェアハウス・シェアオフィスが一体となった建物、事務所棟を建て、駐車場や広場などを設ける計画になっている。プロジェクト名は「Project Novil」(仮称)。
 プロポでの提案段階では、1DKが4棟で28戸、2LDKが4棟で12戸、3LDKが4棟で12戸、店舗が8戸、事務所が8戸、シェアハウスが20人を構想している。店舗は1階にランドリーやカフェなどを配置し、2階にシェアハウス・シェアオフィスを置くイメージ。事務所は別棟で建てる。
 プロジェクトを具体化するに当たっては、地元の意向を聞いて、ニーズに合った施設整備を進める。同グループは特別目的会社(SPC)を立ち上げて施設を建設し、一部の店舗を直営する予定だが、それ以外の運営を東松島市に在住する者や、同市のまちづくりに携わっている者に任せることを考えている。
 今後のスケジュールは、市と土地の売買契約を結び、施設の新築設計を作成するとともに、住居の居住者やシェアハウス・シェアオフィスの利用者などを募集する。2021年1月から建設を進め、同9月に供用を開始する予定。ただし、これから地元と調整するため、スケジュールは流動的だ。
 野蒜ケ丘地区は、大震災後に市が土地区画整理事業で造成した新市街地。北側には三陸自動車道、南側に主要地方道奥松島松島公園線が整備されているほか、地区内にJR仙石線の東名駅と野蒜駅が立地しており、交通の利便性に優れている。
 プロポで土地利用の提案を募った対象区画は、所在地が野蒜ケ丘3丁目19-1~8他。面積はAブロックの2611平方mと、Bブロックの2614平方mで計5225平方m。両ブロックはそれぞれ8区画に分かれており、周辺を住宅に囲まれている。南側は道路やJR仙石線が横断している。市街化調整区域で、容積率が100%、建ぺい率が60%。用途地域はなし。最低売却価格は1億2783万円。
 土地利活用の条件は、AとBの両ブロックを合わせた敷地全体を活用すること。求める事業コンセプトは▽移住・定住希望者への魅力に富む▽仕事を創造できる場と機能を持つ▽若者から高齢者まで多世代が交流し互いに見守る▽地域の魅力を見つめ直し安全安心に暮らせる持続可能な地域づくりのモデルとなる──ことなどとしていた。
 対象地区は文化財保護法により特別名勝「松島」に指定されているため、現状を変更する場合は、申請により許可を受ける必要がある。事業に関わる施設整備や管理・運営については、地域の事業者、原材料、人材など地域資源を積極的に活用することが求められる。

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