81点以上が全て対象 優良工事表彰の要綱改正( 県)

[2019/12/26 千葉版]
 県土整備部県土整備政策課は25日、例年実施されている優良建設工事表彰について、要綱を改正した。2015年度分(14年度中の完成工事)の表彰から県は、表彰件数を工事成績評定点の上位30社以内とすることとしていたが、これを改め、81点以上を獲得した発注工事の全てを表彰するよう決めた。要綱は25日付で改正されており、来年1月にも発表予定の、19年度の優良建設業者の選定にも反映される見通しだ。

 今回の改正理由について県は「近年の社会情勢を踏まえたもの」としている。

 15年度以降県では、これまで工事成績評定点の81点以上を獲得した工事とその事業者・技術者を等しく表彰していたが、これを上位30社以内に絞り込むこととし、以降はその基準で表彰者を決めていたが、元通りの基準に戻った格好となる。15年度の表彰では、14年度に完成した2,957件の工事から、これを施工した97社の106件が選ばれ、このうち9社がダブル受賞の栄に浴するなどしていた。

 ただし県では今回、土木や建築などといった同一工種の場合、同一社の重複表彰はしないとしている。

 県によると改正は、表彰の基準をより分かりやすくすることにより、個々のモチベーションの向上を図るとともに、良質な社会資本整備の推進と、建設技術の向上を目指すことを目的とするもの。

 さらに公の場で知事からの受賞機会を増やすことで、仕事に対する誇りを育むとともに、建設業界で課題となっている担い手の確保など、同業界の活性化につなげたいとしている。

 県の優良建設工事の表彰は、良質な社会資本整備の促進と建設技術の向上を目的として、1970年から実施されている歴史あるもの。県が発注した請負額500万円以上の建設工事で、原則的に県内の業者が表彰される年度の前年度に、工期内で完成させた工事の中から、81点以上の工事成績評定点を得た、特に工事成績が優秀だと認められるとともに、その施工技術や品質・出来形などが他の模範となるものから選定されている。

 県が表彰を30社以内に限定して以降、建設業界は「担い手不足が続いている時代に逆行している」と批判するなど、以前の基準に戻すよう要望するなどしていた。例年は各年度11月中をめどに表彰式が行われていたが、今年度は台風の被害対応の影響などもあり、選定作業が遅れていた。

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